万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

万葉歌碑を訪ねて(その279、280、281)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(20,21,22)―万葉集 巻二 一一一、巻十 二三一五、巻七 一三五二

―その279― ●歌は、「いにしへに恋ふる鳥かも弓絃葉の御井の上より鳴き渡り行く」である。 万葉の森船岡山(20)(弓削皇子) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(20)である。 ●歌をみていこう。 この弓削皇子の歌に対し、「額田王が和(こた)…

万葉歌碑を訪ねて(その278)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(19)―万葉集 巻十一 二四六八

●歌は、「港葦に交れる草のしり草の人皆知りぬ我が下思ひは」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(19)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(19)である。 ●歌をみていこう。 ◆湖葦 交在草 知草 人皆知 吾裏念 (作者未詳 巻十一 二四六…

万葉歌碑を訪ねて(その277改)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(18)―

●歌は、「ますらをと思へるものを大刀佩きて可爾波の田居に芹ぞ摘みける」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(18)(薩観妙命婦) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(18)である。 ●歌をみてみよう。 ◆麻須良乎等 於毛敝流母能乎 多知波吉弖 可尓…

万葉歌碑を訪ねて(その275、276)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(16)(17)―

―その275― ●歌は、「苗代の小水葱が花を衣に摺りなるるまにまにあぜか愛しけ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(16)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(16)である。 ●歌をみていこう。 ◆奈波之呂乃 古奈宜我波奈乎 伎奴尓須里 …

万葉歌碑を訪ねて(その273改、274改)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(14)(15)―万葉集 巻五 七九八、巻十九 四二二六

―その273― ●歌は、「妹が見し楝の花は散りぬべし我が泣く涙いまだ干なくに」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(14)(山上憶良) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(14)にある。 ●歌をみていこう。 ◆伊毛何美斯 阿布知乃波那波 知利奴倍斯 和…

万葉歌碑を訪ねて(その272改)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(13)―万葉集 巻一 六四

●歌は、「葦辺行く鴨の羽交ひに霜振りて寒き夕は大和し思ほゆ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(13)(志貴皇子) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(13)にある。 ●歌をみていこう。 ◆葦邊行 鴨之羽我比尓 霜零而 寒暮夕 倭之所念 (志貴皇子 …

万葉歌碑を訪ねて(その271改)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(12)―

●歌は、「我が背子に我が恋ふらくは奥山の馬酔木の花の今盛なり」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(12)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(12)である。 ●歌をみていこう。 ◆吾瀬子尓 吾戀良久者 奥山之 馬酔木花之 今盛有 (作者…

万葉歌碑を訪ねて(その270改)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(11)―万葉集 巻十九 四二七八

●歌は、「あしひきの山下ひかげかづらける上にやさらに梅をしのはむ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(11)(大伴家持) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(11)にある。 ●歌をみていこう。 ◆足日木之 夜麻之多日影 可豆良家流 宇倍尓左良尓 梅…

万葉歌碑を訪ねて(その269)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(10)―万葉集 巻二 九六

●歌は、「み薦刈る信濃の真弓我が引けば貴人さびていなと言はむか」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(10)(久米禅師) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(10)にある。 ●歌をみてみよう。 この歌は、久米禅師が石川郎女を娶る時に交わされた五…

万葉歌碑を訪ねて(その266改、267改、268改)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(7)(8)(9)―

●歌碑266ならびに267については、これまで幾度か紹介している。直近では、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その258)」万葉の森船岡山 蒲生野狩猟レリーフ横、「同(その259)」同山頂付近の歌碑紹介でふれているので、うたわれている植物、「む…

万葉歌碑を訪ねて(その265)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(6)―

●歌は、「引馬野ににほふ榛原入り乱れ衣にほはせ旅のしるしに」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(6)(長忌寸意吉麻呂) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(6)にある。 ●歌をみていこう。 ◆引馬野尓 仁保布榛原 入乱 衣尓保波勢 多鼻能知師尓 (…

万葉歌碑を訪ねて(その264)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(5)―

●歌は、「あぢさゐの八重咲くごとく八つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(5)(橘諸兄) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(5)にある。 ●歌をみていこう。 この歌については、拙稿ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ね…

万葉歌碑を訪ねて(その263)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(4)―万葉集 巻六 一〇四二

●歌は、「一つ松幾代か経ぬる吹く風の声の清きは年深みかも」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(4)(市原王) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(4)にある。 ●歌をみていこう。 ◆一松 幾代可歴流 吹風乃 聲之清者 年深香聞 (市原王 巻六 一〇四…

万葉歌碑を訪ねて(その262改)―滋賀県東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(3)―万葉集 巻七 一二九三

●歌は、「霰降り遠江の吾跡川楊 刈れどもまたも生ふといふ吾跡川楊」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(3)(柿本人麻呂歌集) ●歌碑は、滋賀県東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(3)にある。 ●歌をみていこう。 ◆丸雪降 遠江 吾跡川楊 雖苅 亦生云 余跡川楊…

万葉歌碑を訪ねて(その261改) ―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(2)―

●歌は、「・・・ちさの花咲ける盛りにはしきよしその妻の子と朝夕に・・・」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(2)(大伴家持) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(2)にある。 ●歌をみていこう。 ◆於保奈牟知 須久奈比古奈野 神代欲里 伊比都藝家…

万葉歌碑を訪ねて(その260)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(1)―

●歌は、「うち靡く春立ちぬらし我が門の柳の末にうぐひす鳴きつ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(作者未詳・やなぎ) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(1)にある。 今回から万葉の森船岡山の万葉植物園の歌碑シリーズである。 <歌碑は金属プレ…

万葉歌碑を訪ねて(その260)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(1)―

●歌は、「うち靡く春立ちぬらし我が門の柳の末にうぐひす鳴きつ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(作者未詳・やなぎ) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(1)にある。 今回から万葉の森船岡山の万葉植物園の歌碑シリーズである。 <歌碑は金属プレ…

万葉歌碑を訪ねて(その260)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(1)―

●歌は、「うち靡く春立ちぬらし我が門の柳の末にうぐひす鳴きつ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(作者未詳・やなぎ) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(1)にある。 今回から万葉の森船岡山の万葉植物園の歌碑シリーズである。 <歌碑は金属プレ…

万葉歌碑を訪ねて(その258、259) ―  滋賀県東近江市糠塚町 万葉の森船岡山 蒲生野狩猟レリーフ横、同 万葉の森船岡山 山頂付近―

●258ならびに259の歌碑の歌は同じである。 ●歌は、 あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る 額田王 1-20 紫草のにほえる妹を憎くあらば人妻故に我れ恋ひめやも 大海人皇子 1-21 ●歌碑は、 258が、滋賀県東近江市糠塚町 万葉の森船岡山 …

万葉歌碑を訪ねて(その257)―草津市南山田町 山田まちづくりセンター―

●歌は、「月草に衣ぞ染むる君がため斑の衣摺らむと思ひて」 滋賀県草津市南山田町 山田まちづくりセンター万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、草津市南山田町 山田まちづくりセンターにある。 山田まちづくりセンターと万葉歌碑 ●歌をみていこう。 ◆月草尓 衣曽…

万葉歌碑を訪ねて(その256)―草津市志那中町 惣社神社―

●歌は、「藤波の影なす海の底清み沈く石をも玉とぞ我が見る」である。 滋賀県草津市惣社神社「惣社大藤の縁起」の碑の万葉集の歌(大伴家持 ●歌碑ではないが、草津市志那中町 惣社神社の「惣社大藤の縁起」の碑の真ん中にこの歌が記されている。 今回から、…

万葉歌碑を訪ねて(その254,255)―高島市勝野 高島郵便局前、大津市南小松 雄松崎近江舞子中浜水泳場―

―その254― ●歌は、「思ひつつ来れど来かねて三尾の崎真長の浦をまたかへり見つ」である。 高島市勝野 高島郵便局前万葉歌碑(碁師) ●歌碑は、高島市勝野 高島郵便局前にある。 大溝漁港の北500m位のところに高島郵便局がある。郵便局の前の駐車場や…

万葉歌碑を訪ねて(その252、253)―高島市勝野 大溝漁港、高島市永田 しろふじ保育園南―

―その252― ●歌は、「大御船泊ててさもらふ高島の三尾の勝野の渚し思ほゆ」である。 高島市勝野 大溝漁港万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、高島市勝野 大溝漁港にある。 ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その249)」で、一一六九から一一七二歌までの四首…

万葉歌碑を訪ねて(その252、253)―高島市勝野 大溝漁港、高島市永田 しろふじ保育園南―万葉集 巻七 一一七一、巻九 一六九一

―その252― ●歌は、「大御船泊ててさもらふ高島の三尾の勝野の渚し思ほゆ」である。 高島市勝野 大溝漁港万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、高島市勝野 大溝漁港にある。 ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その249)」で、一一六九から一一七二歌までの四首…

万葉歌碑を訪ねて(その251)―高島市勝野 乙女が池畔―巻十一 二四三六

●歌は、「大船の香取の海にいかり下ろしいかなる人か物思はずあらむ」である。 高島市勝野 乙女が池畔万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、高島市勝野 乙女が池畔にある。 ●歌をみていこう。 ◆大船 香取海 慍下 何有人 物不念有 (作者未詳 巻十一 二四三六) ≪書…

万葉歌碑を訪ねて(その250)―高島市勝野 関電高島変電所前―万葉集 巻三 二七五

●歌は、「いづくにか我が宿りしせむ高島の勝野の原にこの日暮れなば」である。 高島市勝野 関電高島変電所前万葉歌碑(高市黒人) ●歌碑は、高島市勝野 関電高島変電所前にある。 ●歌をみてみよう。 ◆何處 吾将宿 高嶋乃 勝野原尓 此日暮去者 (高市黒人 巻…

万葉歌碑を訪ねて(その249)―高島市音羽 音羽古墳公園―

●歌は、「いづくにか舟乗りしけむ高島の香取の浦ゆ漕ぎ出来る舟」である。 高島市音羽 音羽古墳公園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、高島市音羽 音羽古墳公園にある。 ●歌をみてみよう。 ◆何處可 舟乗為家牟 高嶋之 香取乃浦従 己藝出来船 (作者未詳 巻七 一…

万葉歌碑を訪ねて(その248)―滋賀県高島市鵜川 四十八体石仏群参道―万葉集 巻九 一七三三 

●歌は、「思ひつつ来れど来かねて三尾の崎真長の浦をまたかへり見つ」である。 滋賀県高島市鵜川 四十八体石仏群参道万葉歌碑(碁師) ●歌碑は、滋賀県高島市鵜川 四十八体石仏群参道にある。 ●歌をみていこう。 ◆思乍 雖来ゝ不勝而 水尾埼 真長乃浦乎 又顧…

万葉歌碑を訪ねて(その248)―滋賀県高島市鵜川 四十八体石仏群参道―

●歌は、「思ひつつ来れど来かねて三尾の崎真長の浦をまたかへり見つ」である。 滋賀県高島市鵜川 四十八体石仏群参道万葉歌碑(碁師) ●歌碑は、滋賀県高島市鵜川 四十八体石仏群参道にある。 鵜川四十八体石仏群については、高島市HP「観光・イベント」の項…

万葉歌碑を訪ねて(その247)―滋賀県大津市錦織2丁目 近江大津京錦織遺跡―万葉集 巻一 二九

●歌は、「玉だすき畝傍の山の橿原のひじりの御代ゆ生れましし神のことごとつがの木のいやつぎつぎに天の下知らしめししを天にみつ大和を置きてあをによし奈良山を越えいかさまに思ほしめせかあまざかる鄙にはあれどいはばしる近江の国の楽浪の大津の宮の天の…