万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

万葉歌碑を訪ねて(その934,935)―一宮市萩原町 萬葉公園(5、6)―万葉集 巻八 一四五九、巻二 二〇八

―その934― ●歌は、「世間も常にしあらねばやどにある桜の散れるころかも」である。 ●歌碑(プレート)は、一宮市萩原町 萬葉公園(5)にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「久米女郎報贈歌一首」<久米女郎(くめのいらつめ)が報(こた)へ贈る歌一首…

万葉歌碑を訪ねて(その932、933)―一宮市萩原町 萬葉公園(3、4)―万葉集 巻二十 四四七六、巻十 一八六四

―その932― ●歌は、「奥山のしきみが花の名のごとやしくしく君に恋ひわたりなむ」である。 一宮市萩原町 萬葉公園(3)万葉歌碑(プレート)<大原真人今城> ●歌碑(プレート)は、一宮市萩原町 萬葉公園(3)にある。 ●歌をみていこう。 ◆於久夜麻能 …

万葉歌碑を訪ねて(その930,931)―愛知県一宮市萩原町 萬葉公園(1、2)―万葉集 巻三 二七七、巻二〇 四五一二巻

―その930― 11月に越中高岡ならびに九州太宰府の万葉歌碑めぐりを行った。 ブログで紹介している歌碑の写真の手持ちが2月20日過ぎには無くなることは分かっていたが、コロナ禍での、外出もままならないので、気をもんでいた。 あちこち、石に歌を彫り…

万葉歌碑を訪ねて(その929)―宗像市玄海町 宗像大社第二駐車場―万葉集 巻六 九六三、巻七 一二三〇

●歌は、「大汝少彦名の神こそば名付け染けめ名のみを名小児山と負ひて我が恋の千重の一重も慰めなくに」(大伴坂上郎女)と、 「ちはやぶる鐘の岬を過ぎぬとも我れは忘れじ志賀の統め神」(作者未詳)である。 宗像大社第二駐車場万葉歌碑(大伴坂上郎女、作…

万葉歌碑を訪ねて(その927、928)―福岡市中央区 大濠公園、西公園―万葉集 巻十二 三二一五、三二一六

―その927― ●歌は、「白栲の袖の別れを難みして荒津の浜に宿りするかも」である。 大濠公園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、福岡市中央区 大濠公園にある。 ●歌をみていこう。 ◆白妙乃 袖之別乎 難見為而 荒津之濱 屋取為鴨 (作者未詳 巻十二 三二一五) ≪…

万葉歌碑を訪ねて(その926)―太宰府市太宰府 朱雀大橋北詰西―万葉集 巻三 三〇四

●歌は、「大君の遠の朝廷とあり通ふ島門を見れば神代し思ほゆ」である。 朱雀大橋北詰西万葉歌碑(柿本人麻呂) ●歌碑は、太宰府市太宰府 朱雀大橋北詰西にある。 ●歌をみていこう。 ◆大王之 遠乃朝庭跡 蟻通 嶋門乎見者 神代之所念 (柿本人麻呂 巻三 三〇…

万葉歌碑を訪ねて(その924、925)―太宰府市坂本 坂本八幡宮、太宰府政庁跡北側―万葉集 巻八 一五四一、巻五 七九三

―その924― ●歌は、「我が岡にさを鹿来鳴く初萩の花妻どひに来鳴くさを鹿」 坂本八幡宮万葉歌碑(大伴旅人) ●歌碑は、太宰府市坂本 坂本八幡宮にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「大宰帥大伴卿歌二首」<大宰帥大伴卿が歌二首>である。 ◆吾岳尓 棹壮…

万葉歌碑を訪ねて(その923)―太宰府市太宰府 大宰府政庁跡北西―万葉集 巻八 八一五

●歌は、「正月立ち春の来らばかくしこそ梅を招きつつ楽しき終へめ」である。 大宰府政庁跡北西部万葉歌碑(紀卿) ●歌碑は、太宰府市太宰府 大宰府政庁跡北西にある。 ●歌をみていこう。 ◆武都紀多知 波流能吉多良婆 可久斯許曽 烏梅乎乎岐都ゝ 多努之岐乎倍…

万葉歌碑を訪ねて(その922)―太宰府市観世音寺 太宰府展示館横―万葉集 巻三 三二八

●歌は、「あをによし奈良の都は咲く花のにほうがごとく今盛りなり」である。 太宰府展示館横万葉歌碑(小野老) ●歌碑は、太宰府市観世音寺 太宰府展示館横にある。 ●歌をみていこう。 ◆青丹吉 寧樂乃京師者 咲花乃 薫如 今盛有 (小野老 巻三 三二八) ≪書…

万葉歌碑を訪ねて(その921)―太宰府市観世音寺 太宰府政庁跡バス停―万葉集 巻六 九五六

●歌は、「やすみしし我が大君の食す国は大和もここも同じとぞ思ふ」である 太宰府政庁跡バス停万葉歌碑(大伴旅人) ●歌碑は、太宰府市観世音寺 太宰府政庁跡バス停にある。 ●歌をみていこう。 ◆八隅知之 吾大王乃 御食國者 日本毛此間毛 同登曽念 (大伴旅…

万葉歌碑を訪ねて(その920)―太宰府市観世音寺 観世音寺―万葉集 巻三 三三六

●歌は、「しらぬひ筑紫の綿は身に付けていまだは着ねど暖けく見ゆ」である。 観世音寺万葉歌碑(沙弥満誓) ●歌碑は、太宰府市観世音寺 観世音寺にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「沙弥満誓詠綿歌一首 造筑紫觀音寺別當俗姓笠朝臣麻呂也」<沙弥満誓(さ…

万葉歌碑を訪ねて(その919)―太宰府市観世音寺 太宰府市役所―万葉集 巻八 八一八

●歌は、「春さればまづ咲くやどの梅の花ひとり見つつや春日暮らさむ」である。 太宰府市役所万葉歌碑(山上憶良) ●歌碑は、太宰府市観世音寺 太宰府市役所にある。 ●歌をみてみよう。 ◆波流佐礼婆 麻豆佐久耶登能 烏梅能波奈 比等利美都々夜 波流比久良佐武…

万葉歌碑を訪ねて(その917、918)―太宰府市大宰府 太宰府天満宮―万葉集 巻八 八三〇、八二二

―その917- ●歌は、「万代に年は来経とも梅の花絶ゆることなく咲きわたるべし」である。 ●歌碑は、太宰府市大宰府 太宰府天満宮にある。 太宰府天満宮万葉歌碑(佐氏子首) ●歌をみていこう。 ◆萬世尓 得之波岐布得母 烏梅能波奈 多由流己等奈久 佐吉和多…

万葉歌碑を訪ねて(その916)―太宰府市石坂 九州国立博物館―万葉集 巻四 五七四

●歌は、「ここにありて筑紫やいづち白雲のたなびく山の方にしあるらし」である。 九州国立博物館万葉歌碑(大伴旅人) ●歌碑は、太宰府市石坂 九州国立博物館にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「大納言大伴卿和歌二首」<大納言大伴卿が和(こた)ふる歌二…

万葉歌碑を訪ねて(その915)―太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(16)―万葉集 巻五 七九九

●歌は、「大野山霧立ちわたる我が嘆くおきその風に霧立とわたる」である。 太宰府メモリアルパーク(16)万葉歌碑(山上憶良) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(16)にある。 ●歌をみていこう。 ◆大野山 紀利多知和多流 和何那宜久 於…

万葉歌碑を訪ねて(その914)―太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(15)―万葉集 巻五 七九八

●歌は、「妹が見し楝の花は散りぬべし我が泣く涙いまだ干なくに」である。 太宰府メモリアルパーク(15)万葉歌碑(山上憶良) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(15)にある。 ●歌をみていこう。 ◆伊毛何美斯 阿布知乃波那波 知利奴倍斯…

万葉歌碑を訪ねて(その913)―太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(14)―万葉集 巻五 七九七

●歌は、「悔しかもかく知らませばあをによし国内ことごと見せましものを」である。 太宰府メモリアルパーク(14)万葉歌碑(山上憶良) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(14)にある。 ●歌をみていこう。 ◆久夜斯可母 可久斯良摩世婆 阿…

万葉歌碑を訪ねて(その912)―太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(13)―万葉集 巻五 七九六

●歌は、「はしきよしかくのみからに慕ひ来し妹が心のすべもすべなさ」である。 太宰府メモリアルパーク(13)万葉歌碑(山上憶良) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(13)にある。 ●歌をみていこう。 ◆伴之伎与之 加久乃未可良尓 之多比…

万葉歌碑を訪ねて(その911)―太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(12)―万葉集 巻五 七九五

●歌は、「家に行きていかにか我がせむ枕付く妻屋寂しく思ほゆべしも」である。 太宰府メモリアルパーク(12)万葉歌碑(山上憶良) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(12)にある。 ●歌をみていこう。 ◆伊弊尓由伎弖 伊可尓可阿我世武 摩…

万葉歌碑を訪ねて(その910)―太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(11)―万葉集 巻五 七九四

●歌は、「大君の遠の朝廷としらぬひ筑紫の国に泣く子なす慕ひ来まして・・・」である。 太宰府メモリアルパーク(11)万葉歌碑(山上憶良) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(11)にある。 ●歌をみていこう。 七九四から七九九歌の歌群…

万葉歌碑を訪ねて(その909)―太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(10)―万葉集 巻五 七九三

●歌は、「世の中は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりける」である。 太宰府メモリアルパーク(10)万葉歌碑(大伴旅人) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(10)にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「大宰帥大伴卿報凶問歌一…

万葉歌碑を訪ねて(その907、908)―太宰府メモリアルパーク(8,9)―万葉集 巻八 一五三七、一五三八 

―その907- ●歌は、「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花」である。 太宰府メモリアルパーク(8)万葉歌碑(山上憶良) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(8)にある。 ●歌をみていこう。 ◆秋野尓 咲有花乎 指折 可伎數者 …

万葉歌碑を訪ねて(その906)―滋賀県近江市の山部神社の赤人の歌碑は明治十二年に建てられた

●歌は、「春の野にすみれ摘みにと来しわれぞ野をなつかしみ一夜寝にける」である。 太宰府メモリアルパーク(7)万葉歌碑(山部赤人) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(7)にある。 ●歌をみてみよう。 ◆春野尓 須美礼採尓等 來師吾曽 野…

万葉歌碑を訪ねて(その905)―太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(6)―万葉集 巻三 三三四

●歌は、「忘れ草我が紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため」である。 太宰府メモリアルパーク(6)万葉歌碑(大伴旅人) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(6)にある。 ●歌をみてみよう。 ◆萱草 吾紐二付 香具山乃 故去之里乎 忘之為…

万葉歌碑を訪ねて(その904)―太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(5)ー万葉集 巻十一 二四八〇

●歌は、「道の辺のいちしの花のいちしろく人皆知りぬ我が恋妻は」である。 太宰府メモリアルパーク(5)万葉歌碑(柿本人麻呂歌集) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(5)にある。 ●歌をみていこう。 ◆路邊 壹師花 灼然 人皆知 我戀孋 或…

万葉歌碑を訪ねて(その903)―梅は香り、桜は散るが定番?

●歌は、「春の野に霧立ちわたる降る雪と人の見るまで梅の花散る」である。 太宰府メモリアルパーク(4)万葉歌碑(田氏真上) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(4)にある。 ●歌をみていこう。 ◆波流能努尓 紀理多知和多利 布流由岐得 比…

万葉歌碑を訪ねて(その902)―山上憶良には、かつての上司の役員に本社勤務に戻してほしいと懇願するかのような側面もあった

●歌は、「春さればまづ咲くやどの梅の花ひとり見つつや春日暮らさむ」である。 太宰府メモリアルパーク(3)万葉歌碑(山上憶良) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(3)にある。 ●歌をみていこう。 この歌は、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ね…

万葉歌碑を訪ねて(その901)―万葉集における大宰府の位置づけの深耕の必要性を痛感

●歌は、「梅の花散らくはいづくしかすがにこの城の山に雪は降りつつ」である。 太宰府メモリアルパーク(2)万葉歌碑(伴氏百代) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(2)にある。 ●歌をみていこう。 この歌については、ブログ拙稿「万葉歌…