万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

2026-01-01から1年間の記事一覧

万葉集の世界に飛び込もう(その3292)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―よもぎ[ヨモギ]

●歌は、「大君の任のまにまに・・・ほととぎす来鳴く五月のあやめぐさ蓬かづらぎ酒みづき遊び慰ぐれど・・・(大伴家持 18-4116)」である。 「よもぎ[ヨモギ]」 東京生薬協会HPより引用させていただきました。 「ヨモギは、フキノトウと並んでいち…

万葉集の世界に飛び込もう(その3291)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―ゆづるは[ユズリハ]

●歌は、「古に恋ふらむ鳥かもゆずるはのみ井の上より鳴き渡り行く(弓削皇子 2-111)」である。 「ゆづるは[ユズリハ]」 「植木図鑑 植木ペディアHP」より引用させていただきました。 「『弓絃葉(ゆづるは)』は、現在でいうユズリハである。本州中…

万葉集の世界に飛び込もう(その3290)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―やまたちばな[ヤブコウジ]

●歌は、「この雪の消残る時にいざ行かな山橘の実の照るも見む(大伴家持 19-4226)」である。 「やまたちばな[ヤブコウジ]」 高岡市万葉歴史館HPより引用させていただきました。 「大伴家持は29歳という若さで都から遠く離れた、雪深い越中の国守…

万葉集の世界に飛び込もう(その3289)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―やなぎ[シダレヤナギ]

●歌は、「山の際の雪は消ずあるをみなぎらふ川の柳は萌えにけるかも(作者未詳 10-1849)」である。 「やなぎ[シダレヤナギ]」 近鉄京都線高の原駅近く 20190311撮影 「万葉人は、浅緑に萌え出たヤナギの新芽によって春の訪れを実感してい…

万葉集の世界に飛び込もう(その3288)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―もも[モモ]

●歌は、「春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子(大伴家持 19-4139)」である。 「もも[モモ]」 高岡市万葉歴史館HPより引用させていただきました。 「『桜』の華やかさとも、『梅』のふくよかさとも異なり『桃』はどこか艶やかである。集中…

万葉集の世界に飛び込もう(その3287)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―むぐら[カナムグラ]

●歌は、「いかならむ時にか妹を葎生の汚なきやどに入りいませてむ(大伴田村大嬢 8-759) 「むぐら[カナムグラ]」 岡山理科大学HPより引用させていただきました。 「集中に『葎』を詠う歌は4首。が、歌を見る限り、藪をつくる、恐らく蔓性の草本であ…

万葉集の世界に飛び込もう(その3286)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―まつ[アカマツ・クロマツ]

●歌は、「岩代の浜松が枝を引き結びま幸くあらばまた返り見む(有間皇子 2-141)」である。 「まつ[クロマツ]」 浜寺公園(中央右万葉歌碑は置始東人<巻1―66>)20250509撮影 「『松』といえば普通アカマツ、クロマツをさすが、両種とも…

万葉集の世界に飛び込もう(その3285)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―ひかげ[ヒカゲノカズラ]

●歌は、「あしひきの山下ひかげかづらける上にやさらに梅をしのはむ(大伴家持 19-4278)」である。 「ひかげ[ヒカゲノカズラ]」 東京都公園協会HPより引用させていただきました。 「・・・宴の開かれた11月25日は、太陽暦で翌年の1月3日(『…

万葉集の世界に飛び込もう(その3284)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―ひ[ヒノキ]

●歌は、「いにしへにありけむ人もわが如か三輪の桧原にかざし折りけむ(柿本人麻呂歌集 7-1118)」である。 「ひ[ヒノキ]」 「植木図鑑 植木ペディア」より引用させていただきました。 「『檜』はヒノキのこと。建築材としてすぐれ、樹皮は屋根を葺…

万葉集の世界に飛び込もう(その3283)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―はり[ハンノキ]

●歌は、「伊香保ろの沿ひの榛原我が衣に着きよらしもよひたへと思へば(作者未詳 14-3435)」である。 「はり[ハンノキ]」 長居植物園HPより引用させていただきました。 「集中『榛』が出てくるのは14首。14首中9首に『衣(ころも・きぬ)』が…

万葉集の世界に飛び込もう(その3282)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―はねず[ニワウメ]

●歌は、「夏まけて咲きたるはねずひさかたの雨うち降らばうつろひなむか(大伴家持 8-1485)」である。 「はねず[ニワウメ]」 「植木図鑑 植木ペディア」より引用させていただきました。 「『はねず』については、ニワウメ・ニワザクロ・モクレン・…

万葉集の世界に飛び込もう(その3281)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―ねつこぐさ[オキナグサ]

●歌は、「芝付の御宇良崎なるねつこ草相見ずあらずば我れ恋ひめやも(作者未詳 14-3508)」である。 「ねつこぐさ[オキナグサ]」 「みんなの趣味の園芸」NHK出版HPより引用させていただきました。 「・・・『ねつこぐさ』はオキナグサが定説だが、…

万葉集の世界に飛び込もう(その3280)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―ところづら[トコロ]

●歌は、「すめろきの神の宮人ところづらいやとこしくに我れかへり見む(作者未詳 7-1133)」である。 「狭山丘陵いきものふれあいの里センター」HPより引用させていただきました 。 「 ・・・埼玉県に『所沢』の地名があるが、元々は『野老澤』と表し…

万葉集の世界に飛び込もう(その3279)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―つばき[ヤブツバキ]

歌は、「巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を(坂門人足 1-54)」である。 「つばき[ヤブツバキ]」 (『万葉集』ゆかりの“つらつら椿”阿吽寺(あうんじ)【御所市古瀬】)家庭画報HPより引用させていただきました。 「『川の辺のつ…

万葉集の世界に飛び込もう(その3278)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―たちばな[キシュウミカン]

●歌は、「橘は実さへ花さへその葉さへ枝に霜降れどいや常葉の木(聖武天皇 6-1009)」である。 「たちばな[キシュウミカン]」 「奈良県HP」より引用させていただきました。 「『橘』はミカンの古名で、ふるく万葉の時代より人々の生活のなかにとけこ…

万葉集の世界に飛び込もう(その3277)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―たけ[マダケ]

●歌は、「我がやどのいささ群竹 吹く風の音のかそけきこの夕へかも(大伴家持 19-4291)」である。 「たけ[マダケ]」 「植物データベース」(熊本大学薬学部薬用植物園HP)より引用させていただきました。 「例歌は、家の庭先にある竹群に吹くほん…

万葉集の世界に飛び込もう(その3276)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―せり[セリ]

●歌は、「あかねさす昼は田賜びてのぬばたまの夜のいとまに摘める芹これ(葛城王 20-4455)」である。 「せり[セリ]」 「JAグループHP」より引用させていただきました。 「セリは春を彩る植物の一つ。『春の七草』の一つにも数えられる。例歌は、・…

万葉集の世界に飛び込もう(その3275)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―すもも[スモモ]

●歌は、「我が園の李の花か庭に散るはだれのいまだ残りてあるかも(大伴家持 19-4140)」である。 「すもも[スモモ]」 「植木図鑑 植木ペディアHP」より引用させていただきました。 「・・・夕日に映える桃李の花の艶やかさ、少し散り始めたその下…

万葉集の世界に飛び込もう(その3274)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―すみれ[スミレ]

●歌は、「春の野にすみれ摘みにと来しわれぞ 野をなつかしみ一夜寝にける(山部赤人 8-1424)」である。 「すみれ[スミレ]」 「みんなの趣味の園芸(NHK出版HP)より引用させていただきました。 「日当たりのよいところで2月頃から咲きはじめるスミ…

万葉集の世界に飛び込もう(その3273)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―すぎ[スギ]

●歌は、「いにしへの人の植ゑけむ杉が枝に霞たなびく春は来ぬらし(柿本人麻呂歌集 10-1814)」である。 「すぎ[スギ]」 岡山理科大学HPより引用させていただきました。 「スギは日本特産の常緑高木で、日本人の生活になじみの深い木である。例歌は…

万葉集の世界に飛び込もう(その3272)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―しだくさ[ノキシノブ]②

●歌は、「我がやどは甍しだ草生ひたれど恋忘れ草見れどいまだ生ひず( 柿本人麻呂歌集 11-2475)」である。 「しだくさ[ノキシノブ]②」 weblio辞書 デジタル大辞泉より引用させていただきました。 「集中『しだ草』が出てくるのは、柿本人麻呂歌集…

万葉集の世界に飛び込もう(その3271)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―しだくさ[ウラジロ]①

●歌は、「・・・岩に生ふる 菅の根採りて しのふくさ 祓へてましを 行く水に みそきてましを・・・(作者未詳 6-948)」である。 「しだくさ[ウラジロ]①」 岡山理科大学HPより引用させていただきました。 「・・・万葉時代は『しのふ草』と清音だが、…

万葉集の世界に飛び込もう(その3270)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―しきみ[シキミ]

●歌は、「奥山のしきみが花の名のごとやしくしく君に恋ひわたりなむ(大原真人今城 20-4476)」である。 「しきみ[シキミ]」 「みんなの趣味の園芸」(NHK出版HP)より引用させていただきました。 「『悪しき実』がシキミの語源だ。その名のとおり…

万葉集の世界に飛び込もう(その3269)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―ささ[クマザサ]

●歌は、「笹の葉はみ山もさやにさやけども我は妹思ふ別れ来ぬれば(柿本人麻呂 2-133)」である。 「ささ[クマザサ]」 「植物データベース」熊本大学薬学部薬用植物園HPより引用させていただきました。 「ササはタケと同様にイネ科の植物である。もっ…

万葉集の世界に飛び込もう(その3268)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―さかき[サカキ]

●歌は、「ひさかたの天の原より生れ来たる神の命奥山の賢木の枝に白香つく・・・われは祈ひなむ君に会はじかも(大伴坂上郎女 3-379)」である。 さかき[サカキ] ニッセイ緑の財団HPより引用させていただきました。 「・・・集中『さかき』が詠まれて…

万葉集の世界に飛び込もう(その3267)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―かはやなぎ[カワヤナギ]

●歌は、「山の際に雪は降りつつしかずがにこの川楊は萌えにけるかも(作者未詳 10-1848)」である。 かはやなぎ[カワヤナギ]<ネコヤナギ 公益財団法人船橋市公園協会HPより引用させていただきました。 「『万葉集』には、39首の歌にヤナギが表現…

万葉集の世界に飛び込もう(その3266)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―かたかご[カタクリ]

●歌は、「もののふの八十娘子らが汲み乱ふ寺井の上の堅香子の花(大伴家持 19-4143)」である。 「かたかご[カタクリ]」 大阪公立大学附属植物園 20260329撮影 「・・・カタクリの花は、赤紫色の六弁の花で、清楚、それでいてなかなか力強…

万葉集の世界に飛び込もう(その3265)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―うめ[ウメ]

●歌は、「我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも(大伴旅人 5-822)」である。 「うめ[ウメ]」 大宰府天満宮境内 福岡県太宰府市公式HPより引用させていただきました。 「・・・『うめ』は中国原産のバラ科の落葉高木であり、中国では…

万葉集の世界に飛び込もう(その3264)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―うはぎ[ヨメナ]

●歌は、「春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野うはぎ摘みて煮らしも(作者未詳 10-1879)」である。 うはぎ[ヨメナ] 「weblio辞書 デジタル大辞泉」より引用させていただきました。 「奈良の春日野は野遊びの行われた行楽地であり、そこでは春になると…

万葉集の世界に飛び込もう(その3263)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―あをな[カブ]

●歌は、「食薦敷き青菜煮て来む梁に行縢懸けて休めこの君(長忌寸意吉麻呂 16-3825)」である。 「あをな[カブ]」 岡山理科大学HPより引用させていただきました。 「例歌の『蔓菁』とはカブのことである。平安時代に書かれた『新撰字鏡』が『蔓』と…