万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

ザ・モーニングセット190107(万葉の小径シリーズ:その2 はぎ)

●サンドイッチの中味は、ジャガイモをスマッシュして玉子と混ぜ合わせ、レンジでチンしふっくらとさせたものと、ベーコンそしてレタスである。

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1月7日のモーニングセット

 デザートは、リンゴの飾り切りを中央におき、みかんの輪切りの半分を挟み、周りにブドウと干しブドウを飾り付けた。

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1月7日のデザート

 

●万葉の小径シリーズーその2 はぎ

 

高円(たかまど)の 野辺(のべ)の秋萩(あきはぎ) いたづらに 咲きが散るらむ 見る人なしに (笠金村歌集 巻二 二三一)

 

 「高圓之 野邊秋芽子 徒 開香将散 見人無尓」

 

高円の野辺に咲く秋萩は、むなしく咲きむなしく散っていくのか。もはやそれを見る人もなく。

 

 「ハギの種類は一五種ほどあるが、古来、萩と呼びならわされているのは、ヤマハギのことを指す。ヤマハギは、落葉性低木で九月の中頃から紅紫色の小さな花を咲かせる。万葉集には約一四〇回も歌われ、草の花ではもっとも多く歌われている。今日では、萩は木の分類に入っているものの、万葉の頃は、柔らかい枝を開花直前に延ばし可愛い花を咲かせるので、草の花とみられていたようだ。

 当時、ハギは芽とか芽子とかの文字で表されることが多く、萩の字を用いて表された草はない。もちろん古代から中国に萩の字は存在したが、それはキク科の多年生草木の萩(よもぎ又はくさよもぎ)を指し、ハギとはまったく異なる植物である。

 笠金村(かさのかなむら)は高円一帯の秋を飾る萩が、空しく咲き空しく散るのを今後も繰り返すだろうと歌って。悲しみの心を表している。それは歌の数こそ少ないが、万葉集の中に一つの歌風のようなものを残した志貴皇子(しきのみこ)の死を悼んでの歌である。今の白毫寺(びゃくごうじ)辺りに居をかまえていた皇子が亡くなって、高円山の西麓で野辺の送りが営まれた時の歌であろうか。

 萩という字は、草冠に秋と書くので、「秋」の「草」であることを示す。」

                         (万葉の小径 はぎの歌碑)

 

 高円と秋萩を歌った歌には、大伴宿禰家持の歌がある。

 

高円の 野辺の秋萩 このころの 暁露(あかときつゆ)に 咲きにけむかも(巻八 一六〇五)

 

 「高圓之 野邊乃秋芽子 此日之 暁露余 開兼可聞」

 

奈良の旧都の郊外の高円の野辺の萩の花は、この幾日か以来、夜明け方の露に、もはや咲いたことでだろう。

 

 白毫寺は奈良市白毫寺町にある。奈良市市街地の東南部、春日山の南に連なる高円山山麓にある。五色椿と萩が名高い。

 花だより  五色椿 3月下旬~4月上旬

       ヤブ椿 3月~4月

       萩   9月中旬~下旬 参道と境内の一部

       紅葉  11月下旬~12月上旬

 

 (参考文献)

★万葉の小径 はぎの歌碑

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「大和万葉」 堀内民一 著 (創元社

★「白毫寺」 奈良市観光協会サイト