●今日のサンドイッチは、サニーレタスと焼豚である。備前焼の丸皿に盛り付けた。サニーレタスの緑色の濃淡がいい感じである。
デザートは、伊予柑4切れを十字型の配し、リンゴの縦切りスライスを同じく十字型に並べた。リンゴが倒れないようにバナナの輪切りの半分で挟みつけた。周辺にブドウと干しブドウを飾り付けた。
料理の飾りつけにお皿代わりに、大きなホオノキの葉っぱを万葉の小径からいただいてきて使うことがある。今日の万葉の歌碑の紹介は「ほほがしは」である。
●万葉の小径シリーズ-その22 ほほがしは ホオノキ
わが背子が 捧げて持てる 厚朴(ほほがしは)
あたかも似るか 青き蓋(きぬがさ)
(講師僧恵行 巻一九 四二〇四)
吾勢故我 捧而持流 保寶我之婆 安多可毛似加 青盖
家持様、あなたがお持ちの朴の木は、まるで青いきぬがさのようですね。
「厚朴(ほおがしわ)は、今日のホホノキ、またはホオガシワノキ、ホオガシワを指している。落葉高木で、葉は大きく、若葉の頃は赤みを帯びている。万葉集では二度歌われているきりで、講師(国分寺の僧)である僧恵行と越中国守大伴家持とが同じ宴会の「ほほがしわ」を歌っているに過ぎない。二人の歌では、保宝我之波、保宝我之婆と書き表され、題詞では保宝葉と表されている。一字一首の万葉仮名は、漢字の持つ意味を考えなくてはよいとはいうものの。孤悲(こひ)が恋を表すとき、逢えぬ思いで一人つらい悲しい思いをする意味を宿しているのと同様に、ホオを保宝(ほほ)と書くことによって、宝を保つようなめでたい木の意味まで見ていたようだ。
ホオノキばかりでなく、万葉の頃、広い大きい葉は好まれていた。たとえば蓮の葉、芋の葉、柏の葉など、ものを包むのに適した葉が多い。中でも、蓮の葉は、その葉に滴る水滴が銀色に輝くのを美しいと見たり、その葉を饌食(せんしょく)を盛る器の代わりに用いたりしていた。ホオノキの場合は、他と少々異なっていて、その大きい葉を枝とともに折り取って、まるで蓋(きぬがさ)だと楽しんでいるのである。」
(万葉の小径 ほほがしの歌碑)
この歌の題詞は、「見攀折保寳葉歌二首」とあり、歌碑の僧恵行の歌と大伴家持の歌が収録されている。大伴家持が奈良時代の越中国(今の富山県)に赴任していた時の歌である。
皇神祖之(すめろきの) 遠御代三世波(とほみよみよは) 射布折(いしきをり)
酒飲等伊布曽(きのみきといふぞ) 此保寳我之波(このほおがしは)
(大伴宿祢家持 巻十九 四二〇五)
(注)恵行(ゑぎやう):越中国講師
(参考文献)
★万葉の小径 ほほがしはの歌碑
★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)