万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

ザ・モーニングセット190211(万葉の小径シリーズーその33すもも)

今日もサンドイッチ作りました。7、8年は続いているかな。信楽焼の長方皿に。サンチュと焼き豚で。

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デザートは、りんごの縦切りを立体化‼️周りはバナナ、スィートスプリング(柑橘)、二色のバナナで切り合わせたものを配した。さんふじの赤みが良い感じ。

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今日の万葉の小径歌碑の紹介はすもも。

●万葉の小径シリーズーその33 すもも スモモ

わが園の 李(すもも)の花か 庭に降る

はだれのいまだ 残りたるかも

大伴家持 巻一九 四一四〇)

吾園之 李花可 庭尓落 波太礼能未 遣在可母

私の庭が白く見えるのは、李の花が散り敷いているからかな、いや、まだ庭にうっすりと積もった雪が消え残っているのかな。

天平勝宝二年三月一日の夕暮れに、大伴家持越中国庁に於いて、桃李を続けて二首歌った中のスモモの歌である。スモモも落葉高木でモモが紅色の花を咲かせるのに対して、スモモは花の大きさも数も大差ないが、白い花を咲かせる。桃李と併称して中国では、詩文の中でもてはやされるのに、桃も李も日本ではそれほど詩歌の対象とはならず、モモの数も少なかったけれど、万葉集では、このスモモはただ一首きりに過ぎない。

大伴家持三三才の歌であるが、越中の春を歌って実に心の余裕のあるようなものが感じられる。雪国の春を謳歌するのであれば、家持赴任以来すでに四度目の春である。何もこの年に限って春を喜ぶ必要はない。それゆえ、、一般には、冬季に都との交通を遮断されてしまう越の国へ、都の妻坂上大嬢が前年(天平勝宝元年)の秋には来越していただらうと推測される。来年は帰京の適う年であり、妻とともに初めて見る北国の春であるがゆえに、ある種の伸び伸びとした気分が漲っているのであろう。」 (万葉の小径歌碑 すもも)

この歌について、シリーズ32でも触れている。

桃李といえば、早口言葉を思い出す。「スモモも桃も桃のうち桃もスモモも桃のうち」

桃はバラ科サクラ属で李はバラ科モモ属という。(ウィキペディア参照)

四一三九から四一五三までの十五首が三日間で歌ったのであるが、花鳥に関する歌は次のとおりである

桃(4139)、李(4140)、堅香子(4143)、桜(4151)、椿(4152)

鴫(4141)、雁(4144,4145)、千鳥(4146,4147)、鴙(4148,4149)となっている。

参考文献

★万葉の小径歌碑 すもも

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「太陽 特集 万葉集」 (平凡社