万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

万葉歌碑を訪ねて(その146)―奈良県高市郡明日香村 万葉文化館駐車場―

●歌は、「八釣川水底絶えず行く水の継ぎてぞ恋ふるこの年ころを」である。

 

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奈良県立万葉文化館駐車場万葉歌碑(作者未詳)

●歌碑は、奈良県高市郡明日香村 万葉文化館駐車場にある。

 

 この歌碑は、漫画家で大阪芸術大学教授の里中満智子氏が揮毫、2019年3月に立てられたものである。

 これまで見て来た、苔むした重厚な感じのする万葉歌碑と趣を異にする現代的な碑である。碑に描かれた女性が、詠っている雰囲気を醸し出している。

 

 万葉文化館は、「万葉集を中心とした古代文化に関する総合文化拠点として位置づけられ、、日本の古代文化に関する調査・研究機能、万葉に関する文化の振興を図る展示機能、万葉集に関する情報の収集提供を行う図書・情報サービス機能を有している。同館建設に当り事前の発掘調査で明らかにされた文化財も復原展示なされている。

近くには飛鳥民族資料館や亀形石、酒船石などがある。

 歌碑は、ショッピングモール「あすかむ」に近い駐車場側にある。

 

 

●歌をみていこう。

◆八釣川 水底不絶 行水 續戀 是比歳  或本歌日 水尾母不絶

(作者未詳 巻十二 二八六〇)

 

≪書き下し≫八釣川(やつりがは)水底(みなぞこ)絶えず行く水の継(つ)ぎてぞ恋ふるこの年ころを 或本の歌には「水脈(みほ)も絶えせず」といふ

 

(訳)八釣川の川底を絶えることなく流れて行く水のように、ひっきりなしに心の中で恋い焦がれている。ここ何年ものあいだを。<川筋をたえずに>(伊藤 博 著 「万葉集 三」 角川ソフィア文庫より)

(注)八釣川:明日香村八釣山麓の川

 

二八六三歌の左注に、「右の二十三首は、柿本朝臣人麻呂歌集が歌集に出づ」とあり、二十三首中の歌である。

 

(参考文献)

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「万葉集 三」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫

★「犬養孝揮毫万葉歌碑マップ(明日香村)」

 

●本日のサンドイッチモーニングセット&フルーツフルデザート

 サンドイッチは、サンチュと焼き豚である。デザートは、りんごのスライスを4つ縦使いし、横使いしたスライスで輪切りのように演出、バナナ、トンプソンとクリムゾンシードレスで加飾した。

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7月26日のザ・モーニングセット

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7月26日のフルーツフルデザート