万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

万葉歌碑を訪ねて(その794-10)―住吉区住吉 住吉大社反り橋西詰め北―万葉集 巻七 一二七三 

●歌は、「住吉の波豆麻の君が馬乗衣さひづらふ漢女を据ゑて縫へる衣ぞ」

 

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住吉大社反り橋西詰め北万葉歌碑<角柱碑裏面下部左端>(作者未詳)

●歌碑は、住吉区住吉 住吉大社反り橋西詰め北にある。

 

●歌をみていこう。

 

◆住吉 波豆麻公之 馬乗衣 雑豆臈 漢女乎座而 縫衣叙

(作者未詳 巻七 一二七三)

 

≪書き下し≫住吉(すみのえ)の波豆麻(はづま)の君が馬乗衣(うまのりころも)さひづらふ漢女(あやめ)を据(す)ゑて縫(ぬ)へる衣(ころも)ぞ

 

(訳)住吉の波豆麻(はずま)の君の馬乗りの服。ああこれは、わざわざ漢女(あやめ)を雇って縫わせた服なんだな。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソフィア文庫より)

(注)波豆麻(はづま):地名?

(注)さひづらふ【囀らふ】分類枕詞:外国人の言葉が鳥のさえずる声に似て聞こえるところから「漢(あや)(=日本に渡来した漢民族)」にかかる。(weblio古語辞典 学研全訳古語辞典)

(注)漢女(あやめ):古代、大陸からの渡来人のうち、機織り・裁縫などに従事した女性。(goo辞書 小学館デジタル大辞泉

 

 当時の粋な若者を囃した歌である。

 

 

◇◇◇越中万葉歌碑巡り◇◇◇

 

 万葉歌碑を巡り、ブログを書いていると、越中万葉、大宰府万葉に心が傾く。何とか機会をみて行って見たいという気持ちが強くなってくる。

 コロナ禍の閉塞感漂う中ではあるが、思い切ってゴーツートラベルを利用して越中万葉に触れてみようと11月4日から6日、2泊3日で行ってきた。

 高岡市伏木気象資料館が建っている「越中国守館跡」、高岡市万葉歴史館、1858年に建てられたという「つまま公園の万葉歌碑(巻十九 四一五九)」は、はずせない気持ちで計画をたてた。実際に行ってきた先をあげてみると次のようになった。

 

 11月4日

 阿尾榊葉乎布神社➡八幡神社➡日名田「臼が峰往来」入口➡上庄川(流慶橋)左岸排水機構➡湊川中の橋➡十二町潟水郷公園➡日宮神社➡稲荷社(矢崎の大フジ前)➡布勢神社➡泉の社公園➡田子浦藤波神社

 

 11月5日

 高岡市伏木気象資料館(越中国守館跡)➡勝興寺寺内町ポケットパーク➡勝興寺➡寺井の跡➡高岡市万葉歴史館➡「万葉歴史館口」交差点➡「伏木一宮」バス停➡「氣多神社口」交差点➡伏木中学校正門➡「伏木国府」交差点➡氣多神社➡旧二上山郷土資料館➡二上山大伴家持像➡二上まなび交流館➡高岡いわせの郵便局➡藪波神社

 

 11月6日

 新湊小学校➡放生津八幡宮➡大楽寺➡奈児の浦大橋➡つまま公園➡道の駅「雨晴」

 

 全走行距離919km、随分欲張ったものである。

万葉歴史館では、資料はもちろん、説明もしていただき、中庭にも入れていただいた。二上まなび交流館は3月で閉館となり、館内の整理などバタバタされている中、お願いしたところ快く中庭に案内していただいた。感激の連続であった。

 

 後日、それぞれの歌碑をブログで順次紹介していく予定にしている。

 

 

(参考文献)

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「万葉集 二」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫)

★「weblio古語辞典 学研全訳古語辞典」

★「goo辞書 小学館デジタル大辞泉

★「万葉歌碑めぐりマップ」 (高岡地区広域事務組合