このブログも1000回目を迎えることができました。
拙いブログですが、アクセスしていただいている皆様の温かいお心に支えられてここまでこられたものと感謝いたしております。
ありがとうございます。
●歌は、「春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子」である。
●歌碑(プレート)は、名古屋市千種区東山元町 東山植物園(19)にある。
●歌をみていこう。
◆春苑 紅尓保布 桃花 下照道尓 出立▼嬬
(大伴家持 巻十九 四一三九)
※▼は、「女」+「感」、「『女』+『感』+嬬」=「をとめ」
≪書き下し≫春の園(その)紅(くれなゐ)にほふ桃の花下照(したで)る道に出で立つ娘子(をとめ)
(訳)春の園、園一面に紅く照り映えている桃の花、この花の樹の下まで照り輝く道に、つと出で立つ娘子(おとめ)よ。(伊藤 博 著 「万葉集 四」 角川ソフィア文庫より)
この歌はの題詞は、「天平勝寳二年三月一日之暮眺曯春苑桃李花作二首」<天平(てんぴやう)勝宝(しようほう)二年の三月の一日の暮(ゆうへ)に、春苑(しゆんゑん)の桃李(たうり)の花を眺曯(なが)めて作る歌二首>である
1000回目ということですので、ここまでの歩みを振り返ってみることに致します。
スタートしたのは、平成三十一年三月五日である。以降、毎日ブログは書き続けてきました。
<おわび>その1改、100改は、タイトル写真が、初期のブログのままになっており、朝食の写真となっておりますが、本文では削除し改訂しております。ご容赦下さい。
「その1改」は、二条大路南 奈良市庁舎前庭の歌碑で、歌は、「あをによし奈良の都にたなびける天の白雲見れど飽かぬかも(遣新羅使誦詠古歌)」である。
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「その100改」は、令和元年六月六日の、吉隠公民館広場の歌碑で、歌は、「振る雪は淡にな降りそ吉隠の猪養の岡の寒からまくに(穂積皇子)」である。
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「その200改」は、令和元年九月十八日の、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園の歌碑で、歌は、「いにしへに恋ふる鳥かも弓絃葉の御井の上より鳴き渡り行く(弓削皇子)」である。
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「その300」は、令和元年十二月十四日の、滋賀県東近江市糠塚町 万葉の森船岡山の歌碑で、歌は、「卯の花の咲き散る岡ゆほととぎす鳴きてさ渡る君は聞きつや(作者未詳)」である。
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「その400」は、令和二年二月二十七日の、滋賀県長浜市西浅井町菅浦須賀神社の歌碑で、歌は、「高島の安曇の港を漕ぎ過ぎて塩津菅浦今か漕ぐらむ(少弁)」である。
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「その500」は、令和二年五月二十六日の、奈良市法蓮佐保山 万葉の苑の歌碑(プレート)で、歌は、「岩代の浜松が枝を引き結びま幸くあらばまた返り見む(有間皇子)」である。
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「その600」は、令和二年七月十四日の、兵庫県西宮市西田町 西田公園万葉植物苑の歌碑(プレート)で、歌は、「磯の上のつままを見れば根を延へて年深くあらし神さびにけり(大伴家持)」である。
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「その700」は、令和二年八月三十日の、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園の歌碑(プレート)で、歌は、「すめろきの神の命の・・・み湯の上の木群を見れば臣の木も生ひ継ぎにけり・・・(山部赤人)」である。
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「その800」は、令和二年十一月十七日の、岡山県瀬戸内市牛窓 牛窓神社の歌碑で、歌は、「牛窓の波の潮騒島響み寄そりし君は逢はずかもあらむ(作者未詳)」である。
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「その900」は、福岡県太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパークの歌碑で、歌は、「我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも(大伴旅人)」である。
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万葉歌碑巡りするのあたって、事前に先達のブログなどを参考にさせていただきました。ここに改めて心からお礼申し上げます。
グーグルのストリートビューを使い特定しておくと現地に赴いたときに、効率よく周れるのでこれはおすすめしたい。
また現地でなかなかお目当ての歌碑が見つからない場合、市役所などに問い合わせると教えてもらえる。何回か有り難く思ったことか。
植物園や公園で万葉植物を植え、ゆかりの歌碑やプレートを設置しているところも効率よく周れるうえにいろいろと勉強になるのでお勧めである。
これまでに周った植物園や公園、万葉関連施設は次の通りです。
■万葉の小径 奈良市神功4丁目
■万葉苑の径 奈良市法蓮佐保山4丁目
■平磯緑地 神戸市垂水区平磯
■西田公園万葉植物苑 西宮市西田町6
■萬葉公園 愛知県一宮市萩原町戸苅
■萬葉公園高松分園 愛知県一宮市萩原町高松
植物園等では、万葉ゆかりの植物になると限られてくるので、歌碑やプレートに巡り逢えても、歌が重複してくる。できるだけ歌に関連した新しい話題になる事柄を書いているがこれも、自分の能力の無さからすぐに限界がみえてくる。
コロナ禍で外出がままならないので、重複する歌が多くなってきていますが、機会を見てこれからも歌碑巡りを続け万葉集の世界に飛び込んでいきたいと考えております。
これからもよろしくお願い申し上げます。
(参考文献)
★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)