【清麻呂三度目の登場、ご満悦】
「清麻呂は、ご満悦。家持の歌を受けて、次のように答えます。
(巻二十の四五〇四)
『いとおしいとわたしが思っている君たちよ、毎日でもいいですよ。波のように絶え間なくなんどでもなんどでもいらっしゃい!我が家には……』と実にご満悦です。今日ここに集まったのは、みんないいヤツばかりじゃわい、というわけでしょう。」(「万葉集の心を読む」 上野 誠著 角川ソフィア文庫より)
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巻二十の四五〇四歌を見ていこう。
■巻二十 四五〇四歌■
◆宇流波之等 阿我毛布伎美波 伊也比家尓 伎末勢和我世古 多由流日奈之尓
(中臣清麻呂 巻二十 四五〇四)
≪書き下し≫愛(うるは)しと 我(あ)が思(も)ふ君は いや日異(ひけ)に 来(こ)ませ我(わ)が背子(せこ) 絶ゆる日なしに
(訳)すばらしいと私が思っているあなたはまあ、もっともっと毎日でもお越し下さいましよ、あなた、絶える日なんてないように。(伊藤 博 著 「万葉集 四」 角川ソフィア文庫より)
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(注)うるはしと:すばらしいお方だと。(伊藤脚注)
(注の注)うるはし【麗し・美し・愛し】形容詞:①壮大で美しい。壮麗だ。立派だ。②きちんとしている。整っていて美しい。端正だ。③きまじめで礼儀正しい。堅苦しい。④親密だ。誠実だ。しっくりしている。⑤色鮮やかだ。⑥まちがいない。正しい。本物である。(weblio古語辞典 学研全訳古語辞典)ここでは①の意
(注)日異(ひけ)に>ひにけに【日に異に】分類連語:日増しに。日が変わるたびに。(学研)
この歌については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その1386)」で福井県越前市 万葉ロマンの道万葉歌碑(中臣宅守 15-3729)ならびに万葉時代の「うるはし」の感覚をさぐるべくいくつかの歌を例示したなかで紹介している。
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20211111撮影
【最後に今城再登場、参会者謝辞】
「口火を切った今城がここで再登場します。・・・今城は歌います。
(巻二十の四五〇五)(歌は省略)
『磯の陰にやって来て住み着いたなかむつまじいオシドリ、そのオシドリではないけれど惜しい命。その惜しい命はあなたの欲しいまま。一命を預ける人は、清麻呂様しかございません』と今城は歌いました。最後には、『命捧げます』とまでいうのです。この『命捧げます』をどうとるか、・・・歌の連なりを見てゆくと、互いの歌にケチをつけながら、あるじの寵愛を競うかたちで歌が展開していっているから、・・・最後は『命捧げます』となるはずです。その歯の浮くようなセリフに・・・みんなよく言うよねぇ、と清麻呂も思ったのではないでしょうか。ここまでが第一ラウンドです。
巻二十の四五〇五歌については、拙稿ブログ「万葉集の世界に飛び込もう―万葉歌碑を訪ねて(その2521)―」で紹介している。
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第二ラウンドは『興に依(よ)り、各(おのもおのも)高円(たかまと)の離宮処(とつみやどころ)を思(おも)ひて作る歌五首』です。(巻二十の四五〇六-四五一〇)・・・第三ラウンドは『山斎(しま)を属目(しょくもく)して作る三首』です(巻二十の四五一一-四五一三)。・・・」(「万葉集の心を読む」 上野 誠著 角川ソフィア文庫より)
第二ラウンドの巻二十の四五〇六-四五一〇歌については、拙稿ブログ「万葉集の世界に飛び込もう(その2594の1)―書籍掲載歌を中軸に―」で紹介している。
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第三ラウンドの巻二十の四五一一-四五一三歌については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その475)」で紹介している。
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(参考文献)
★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)
★「weblio古語辞典 学研全訳古語辞典」