万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

万葉集の世界へ飛び込もう(その2982)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅲ)―宴する歌(5)

清麻呂三度目の登場、ご満悦】

 「清麻呂は、ご満悦。家持の歌を受けて、次のように答えます。

 (巻二十の四五〇四)

 『いとおしいとわたしが思っている君たちよ、毎日でもいいですよ。波のように絶え間なくなんどでもなんどでもいらっしゃい!我が家には……』と実にご満悦です。今日ここに集まったのは、みんないいヤツばかりじゃわい、というわけでしょう。」(「万葉集の心を読む」 上野 誠著 角川ソフィア文庫より)

万葉集の心を読む (角川ソフィア文庫) [ 上野 誠 ]

価格:990円
(2025/7/27 22:49時点)
感想(0件)

万葉集の心を読む【電子書籍】[ 上野 誠 ]

価格:660円
(2025/7/27 22:49時点)
感想(0件)

 

 巻二十の四五〇四歌を見ていこう。

■巻二十 四五〇四歌■

◆宇流波之等 阿我毛布伎美波 伊也比家尓 伎末勢和我世古 多由流日奈之尓

       (中臣清麻呂 巻二十 四五〇四)

 

≪書き下し≫愛(うるは)しと 我(あ)が思(も)ふ君は いや日異(ひけ)に 来(こ)ませ我(わ)が背子(せこ) 絶ゆる日なしに

 

(訳)すばらしいと私が思っているあなたはまあ、もっともっと毎日でもお越し下さいましよ、あなた、絶える日なんてないように。(伊藤 博 著 「万葉集 四」 角川ソフィア文庫より)

新版 万葉集 四 現代語訳付き (角川ソフィア文庫) [ 伊藤 博 ]

価格:1364円
(2025/7/27 22:50時点)
感想(1件)

新版 万葉集 四 現代語訳付き【電子書籍】[ 伊藤 博 ]

価格:847円
(2025/7/27 22:51時点)
感想(0件)

(注)うるはしと:すばらしいお方だと。(伊藤脚注)

(注の注)うるはし【麗し・美し・愛し】形容詞:①壮大で美しい。壮麗だ。立派だ。②きちんとしている。整っていて美しい。端正だ。③きまじめで礼儀正しい。堅苦しい。④親密だ。誠実だ。しっくりしている。⑤色鮮やかだ。⑥まちがいない。正しい。本物である。(weblio古語辞典 学研全訳古語辞典)ここでは①の意

(注)日異(ひけ)に>ひにけに【日に異に】分類連語:日増しに。日が変わるたびに。(学研)

 

 この歌については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その1386)」で福井県越前市 万葉ロマンの道万葉歌碑(中臣宅守 15-3729)ならびに万葉時代の「うるはし」の感覚をさぐるべくいくつかの歌を例示したなかで紹介している。

 ➡ 

tom101010.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

福井県越前市 万葉ロマンの道万葉歌碑(中臣宅守 15-3729) 
20211111撮影

 

 

 

 

【最後に今城再登場、参会者謝辞】

 「口火を切った今城がここで再登場します。・・・今城は歌います。

 (巻二十の四五〇五)(歌は省略)

 『磯の陰にやって来て住み着いたなかむつまじいオシドリ、そのオシドリではないけれど惜しい命。その惜しい命はあなたの欲しいまま。一命を預ける人は、清麻呂様しかございません』と今城は歌いました。最後には、『命捧げます』とまでいうのです。この『命捧げます』をどうとるか、・・・歌の連なりを見てゆくと、互いの歌にケチをつけながら、あるじの寵愛を競うかたちで歌が展開していっているから、・・・最後は『命捧げます』となるはずです。その歯の浮くようなセリフに・・・みんなよく言うよねぇ、と清麻呂も思ったのではないでしょうか。ここまでが第一ラウンドです。

 

 巻二十の四五〇五歌については、拙稿ブログ「万葉集の世界に飛び込もう―万葉歌碑を訪ねて(その2521)―」で紹介している。

 ➡ 

tom101010.hatenablog.com

 

 

 

 

 第二ラウンドは『興に依(よ)り、各(おのもおのも)高円(たかまと)の離宮処(とつみやどころ)を思(おも)ひて作る歌五首』です。(巻二十の四五〇六-四五一〇)・・・第三ラウンドは『山斎(しま)を属目(しょくもく)して作る三首』です(巻二十の四五一一-四五一三)。・・・」(「万葉集の心を読む」 上野 誠著 角川ソフィア文庫より)

 

 第二ラウンドの巻二十の四五〇六-四五一〇歌については、拙稿ブログ「万葉集の世界に飛び込もう(その2594の1)―書籍掲載歌を中軸に―」で紹介している。

 ➡ 

tom101010.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 第三ラウンドの巻二十の四五一一-四五一三歌については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その475)」で紹介している。

 ➡ 

tom101010.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参考文献)

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「万葉集の心を読む」 上野 誠著 (角川ソフィア文庫

★「万葉集 四」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫

★「weblio古語辞典 学研全訳古語辞典」