●歌は、「春の野にすみれ摘みにと来しわれぞ 野をなつかしみ一夜寝にける(山部赤人 8-1424)」である。

より引用させていただきました。
「日当たりのよいところで2月頃から咲きはじめるスミレも、桜の花の季節になると、いたるところで盛んに濃い紫色の花弁を開く。・・・山道の傍や雑木林の林床などで咲くスミレは、可憐な少女の姿を思わせる。スミレは、山野に自生するスミレ科の多年草で、花の形が墨入れ(墨壺)に似ているところから、スミレと名づけられたという。・・・集中では、例歌が有名である。古代では花を愛でるのみでなく、食用としても利用していたようである。(後略)(「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より)
●歌をみていこう。
題詞は、「山部宿祢赤人歌四首」<山部宿禰赤人が歌四首>である。
(注)歌四首:春の野遊びの宴歌。一組。初め二首は春への賞讃で男性の立場、後二首は春への嘆息で女性の立場。(伊藤脚注)
◆春野尓 須美礼採尓等 來師吾曽 野乎奈都可之美 一夜宿二来
(山部赤人 巻八 一四二四)
≪書き下し≫春の野にすみれ摘(つ)みにと来(こ)しわれぞ野をなつかしみ一夜寝(ね)にける
(訳)春の野に、すみれを摘もうとやってきた私は、その野の美しさに心引かれて、つい一夜を明かしてしまった。(「万葉集 二」 伊藤 博 著 角川ソフィア文庫より)
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(注)野をなつかしみ:野原の美しさに心引かれて。(伊藤脚注)
(注の注)なつかし【懐かし】形容詞:①心が引かれる。親しみが持てる。好ましい。なじみやすい。②思い出に心引かれる。昔が思い出されて慕わしい。(weblio古語辞典 学研全訳古語辞典)
●当該歌の歌碑をみてみよう。
■奈良市古市町 和楽園入口万葉歌碑■

■滋賀県東近江市下麻生 山部神社万葉歌碑■

20200203撮影
この歌碑は、山部神社境内「山部赤人廟碑」の前にある。下記の「山部赤人伝説」によると、この碑は明治十二年に建てられたとある。

■兵庫県加古郡稲美町 稲美中央公園万葉の森万葉歌碑■

20200702撮影
■姫路市飾磨区今在家南第二公園万葉歌碑■

20200803撮影
■太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク万葉歌碑■

20201117撮影
■奈良市春日野町 春日大社神苑萬葉植物園万葉歌碑(プレート)

■静岡県浜松市北区 三ヶ日町乎那の峯万葉歌碑(プレート)■

20220412撮影
■愛媛県西予市 三滝公園万葉の道万葉歌碑■

20220921撮影
■松山市御幸町 護国神社・万葉苑万葉歌碑(プレート)■

20220922撮影
■高知県大豊町粟生 土佐豊永万葉植物園万葉歌碑■

20221130撮影
■名古屋市千種区東山元町 東山動植物園万葉の散歩道万葉歌碑(プレート)■

(山部赤人 8-1424) 20210216撮影
■千葉県袖ケ浦市下新田 袖ヶ浦公園万葉植物園万葉歌碑(プレート)■

(山部赤人 8-1424) 20230926撮影
■茨城県石岡市小幡 ライオンズ広場万葉の森万葉歌碑(プレート)■

(山部赤人 8-142) 20230927撮影
■千葉県市川市真間大門通り万葉歌碑(プレート)■

20241201撮影
■国分寺市西元町 国分寺万葉庭園万葉歌碑(プレート)■

20251123撮影
(参考文献)
★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)
★「万葉集 二」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫)
★「植物で見る万葉の世界」 (國學院大學「万葉の花の会」発行)
★「weblio古語辞典 学研全訳古語辞典」
★「みんなの趣味の園芸 (NHK出版HP)