万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

万葉集の世界に飛び込もう(その3274)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―すみれ[スミレ]

●歌は、「春の野にすみれ摘みにと来しわれぞ 野をなつかしみ一夜寝にける(山部赤人 8-1424)」である。

「すみれ[スミレ]」 「みんなの趣味の園芸(NHK出版HP)
より引用させていただきました。



 

 「日当たりのよいところで2月頃から咲きはじめるスミレも、桜の花の季節になると、いたるところで盛んに濃い紫色の花弁を開く。・・・山道の傍や雑木林の林床などで咲くスミレは、可憐な少女の姿を思わせる。スミレは、山野に自生するスミレ科の多年草で、花の形が墨入れ(墨壺)に似ているところから、スミレと名づけられたという。・・・集中では、例歌が有名である。古代では花を愛でるのみでなく、食用としても利用していたようである。(後略)(「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より)

 

●歌をみていこう。

題詞は、「山部宿祢赤人歌四首」<山部宿禰赤人が歌四首>である。

(注)歌四首:春の野遊びの宴歌。一組。初め二首は春への賞讃で男性の立場、後二首は春への嘆息で女性の立場。(伊藤脚注)

 

◆春野尓 須美礼採尓等 來師吾曽 野乎奈都可之美 一夜宿二来

      (山部赤人 巻八 一四二四)

 

≪書き下し≫春の野にすみれ摘(つ)みにと来(こ)しわれぞ野をなつかしみ一夜寝(ね)にける

 

(訳)春の野に、すみれを摘もうとやってきた私は、その野の美しさに心引かれて、つい一夜を明かしてしまった。(「万葉集 二」 伊藤 博 著 角川ソフィア文庫より)

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(注)野をなつかしみ:野原の美しさに心引かれて。(伊藤脚注)

(注の注)なつかし【懐かし】形容詞:①心が引かれる。親しみが持てる。好ましい。なじみやすい。②思い出に心引かれる。昔が思い出されて慕わしい。(weblio古語辞典 学研全訳古語辞典)

 

●当該歌の歌碑をみてみよう。

■奈良市古市町 和楽園入口万葉歌碑■

奈良市古市町 和楽園入口万葉歌碑(山部赤人 8-1424) 20190312撮影



 

 

■滋賀県東近江市下麻生 山部神社万葉歌碑■

滋賀県東近江市下麻生 山部神社万葉歌碑(山部赤人 8-1424) 
20200203撮影



 この歌碑は、山部神社境内「山部赤人廟碑」の前にある。下記の「山部赤人伝説」によると、この碑は明治十二年に建てられたとある。

 

「山部神社略縁起ならびに山部赤人伝説」案内板 20200203撮影

 

■兵庫県加古郡稲美町 稲美中央公園万葉の森万葉歌碑■

兵庫県加古郡稲美町 稲美中央公園万葉の森万葉歌碑(山部赤人 8-1424) 
20200702撮影



 

 

■姫路市飾磨区今在家南第二公園万葉歌碑■

姫路市飾磨区今在家南第二公園万葉歌碑(山部赤人 8-1424) 
20200803撮影



 

 

■太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク万葉歌碑■

太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク万葉歌碑(山部赤人 8-1424) 
20201117撮影



 

 

■奈良市春日野町 春日大社神苑萬葉植物園万葉歌碑(プレート)

奈良市春日野町 春日大社神苑萬葉植物園万葉歌碑(プレート)(山部赤人 8-1424) 20210427撮影

 

■静岡県浜松市北区 三ヶ日町乎那の峯万葉歌碑(プレート)■

静岡県浜松市北区 三ヶ日町乎那の峯万葉歌碑(プレート)(山部赤人 8-1424) 
20220412撮影



 

 

■愛媛県西予市 三滝公園万葉の道万葉歌碑■

愛媛県西予市 三滝公園万葉の道万葉歌碑(山部赤人 8-1424) 
20220921撮影

 

 

■松山市御幸町 護国神社・万葉苑万葉歌碑(プレート)■

松山市御幸町 護国神社・万葉苑万葉歌碑(プレート)(山部赤人 8-1424)
 20220922撮影

 

■高知県大豊町粟生 土佐豊永万葉植物園万葉歌碑■

高知県大豊町粟生 土佐豊永万葉植物園万葉歌碑(山部赤人 8-1424) 
20221130撮影



 

 

■名古屋市千種区東山元町 東山動植物園万葉の散歩道万葉歌碑(プレート)■

名古屋市千種区東山元町 東山動植物園万葉の散歩道万葉歌碑(プレート)
(山部赤人 8-1424) 20210216撮影

 

■千葉県袖ケ浦市下新田 袖ヶ浦公園万葉植物園万葉歌碑(プレート)■

千葉県袖ケ浦市下新田 袖ヶ浦公園万葉植物園万葉歌碑(プレート)
(山部赤人 8-1424) 20230926撮影

 

■茨城県石岡市小幡 ライオンズ広場万葉の森万葉歌碑(プレート)■

茨城県石岡市小幡 ライオンズ広場万葉の森万葉歌碑(プレート)
(山部赤人 8-142) 20230927撮影



 

 

■千葉県市川市真間大門通り万葉歌碑(プレート)■

千葉県市川市真間大門通り万葉歌碑(プレート)(山部赤人 8-1424) 
20241201撮影



 

 

■国分寺市西元町 国分寺万葉庭園万葉歌碑(プレート)■

国分寺市西元町 国分寺万葉庭園万葉歌碑(プレート)(山部赤人 8-1424) 
20251123撮影



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参考文献)

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「万葉集 二」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫)

★「植物で見る万葉の世界」 (國學院大學「万葉の花の会」発行)

★「weblio古語辞典 学研全訳古語辞典」

★「みんなの趣味の園芸 (NHK出版HP)