万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

万葉集の世界に飛び込もう(その3373)―万葉一日一葉 「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より」―ゆり[ヤマユリ]

●歌は、「筑波嶺のさ百合の花の夜床にも愛しけ妹ぞ昼も愛しけ(大舎人部千文 20-4369)」である。

「ゆり[ヤマユリ]」 「国営武蔵丘陵森林公園HP」より引用させていただきました。

 自宅の庭で撮影したもの

 

 「・・・『ゆり』は集中、10首の歌に詠み込まれており、その種類としてはヤマユリまたはササユリとされ、分布などからヤマユリと考えられるのは例歌のみで、残りの多くは近畿から中国・四国地方に分布し、ヤマユリよりも繊細で楚々とした姿のササユリと考えられる。ヤマユリは日本のユリを代表する種類で、茎は1~1.5mの高さにもなり、7月から8月にかけて茎頂に2~10数個の大きな花をつける。花被片は6枚、白色で赤褐色の斑点があり、中央部には黄色の縦すじが走っている・・・例歌のように、ヤマユリは花が大きく、甘い香りがすることからササユリに比べどこか官能的である。」(「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)より)

 

 

●歌をみていこう。

◆都久波祢乃 佐由流能波奈能 由等許尓母 可奈之家伊母曽 比留毛可奈之礽

          (大舎人部千文 巻二十 四三六九)

 

≪書き下し≫筑波嶺(つくはね)のさ百合(ゆる)の花の夜床(ゆとこ)にも愛(かな)しけ妹(いも)ぞ昼も愛(かな)しけ

 

(訳)筑波の峰に咲き匂うさゆりの花というではないが、その夜(よる)の床でもかわいくてならぬ子は、昼間でもかわいくってたまらぬ。(「万葉集 四」 伊藤 博 著 角川ソフィア文庫より)

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(注)上二句は序。「夜床」を起す。(伊藤脚注)「さ百合の花」は妻を匂わしてもいる。(伊藤脚注)

(注)愛しけ:「愛しき」の東国形。(伊藤脚注)

 

 

●当該歌の歌碑をみてみよう。

■兵庫県加古郡稲美町 稲美中央公園万葉の森万葉歌碑■

兵庫県加古郡稲美町 稲美中央公園万葉の森万葉歌碑(大舎人部千文 20-4369) 20200702撮影



 

 

■名古屋市千種区東山元町 東山動植物園万葉の散歩道万葉歌碑(プレート)■

名古屋市千種区東山元町 東山動植物園万葉の散歩道万葉歌碑(プレート)
(大舎人部千文 20-4369) 20210216撮影

 

■茨城県つくば市大久保 つくばテクノパーク大穂万葉歌碑■

茨城県つくば市大久保 つくばテクノパーク大穂万葉歌碑(大舎人部千文 20-4369) 20230927撮影



 

 

■茨城県石岡市小幡 ライオンズ広場万葉の森万葉歌碑(プレート)■

茨城県石岡市小幡 ライオンズ広場万葉の森万葉歌碑(プレート)
(大舎人部千文 20-4369) 20230927撮影

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参考文献)

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「万葉集 四」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫)

★「植物で見る万葉の世界」 (國學院大學「万葉の花の会」発行)

★「weblio古語辞典 学研全訳古語辞典」

★「国営武蔵丘陵森林公園HP」