万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

万葉集の世界に飛び込もう(その2679)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―

●歌は、「真鳥棲む雲梯の杜の菅の根を衣にかき付け着せむ子もがも(作者未詳 7-1344)」である。 【雲梯の社】 「作者未詳(巻七‐一三四四)(歌は省略)・・・雲梯(うなで)の村なかから曾我川の橋を東へわたると、すぐ橋ぎわにこんもりと大木の茂った森が…

万葉集の世界に飛び込もう(その2678)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―

●歌は、「ま菅よし宗我の川原に鳴く千鳥間なし我が背子我が恋ふらくは(作者未詳 12-3087)」である。 【曾我川】 「作者未詳(巻十二‐三〇八七)(歌は省略)・・・曾我川は巨勢(こせ)の谷重阪(へえさか)峠に発して(重阪川)、越智をすぎ、曾我の南で…

万葉集の世界に飛び込もう(その2677)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―

●歌は、「うちひさつ三宅の原ゆ直土に足踏み貫き夏草を腰になづみいかなるや人の子ゆゑぞ通はすも我子うべなうべな母は知らじうべなうべな父は知等地蜷の腸か黒き髪に真木綿もちあざさ結ひ垂れ大和の黄楊の小櫛を押へ刺すうらぐわし子それぞわが妻(作者未詳…

万葉集の世界に飛び込もう(その2676)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―

●歌は、「うち渡す竹田の原に鳴く鶴の間なく時なし我が恋ふらくは(大伴坂上郎女 4-760)」である。 本稿から、「万葉の旅 上 大和」 犬養 孝 著 (平凡社ライブラリー)の「平野南部」である。 順に読み進んでいこう。 【竹田の庄】 「大伴坂上郎女(巻四‐…

万葉集の世界に飛び込もう(その2675)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―

●歌は、「吉野にある菜摘の川の川淀に鴨ぞ鳴くなる山陰にして(湯原王 3-375)」である。 【なつみの川】 「湯原王(巻三‐三七五)(歌は省略) 宮滝の柴橋の上から上流真東に見える山地は菜摘(なつみ)(吉野町)であって、吉野川は菜摘の山裾を東側から北…