万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

2019-01-01から1年間の記事一覧

万葉歌碑を訪ねて(その325)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(66)―

●歌は、「初春の初子の今日の玉箒手に取るからに揺らぐ玉の緒」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(66)(大伴家持) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(66)である。 ●歌をみていこう。 ◆始春乃 波都祢乃家布能 多麻婆波伎 手尓等流可良尓 由良久…

万葉歌碑を訪ねて(その324)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(65)―万葉集 巻十 二二七〇

●歌は、「道の辺の尾花が下の思ひ草今さらさらに何をか思はむ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(65)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(65)である。 ●歌をみていこう。 ◆道邊之 乎花我下之 思草 今更尓 何物可将念 (作者未詳 巻…

万葉歌碑を訪ねて(その323)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(64)―

●歌は、「油火の光に見ゆる我がかづらさ百合の花の笑まはしきかも」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(64)(大伴家持) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(64)である。 ●歌をみていこう。 ◆安夫良火乃 比可里尓見由流 和我可豆良 佐由利能波奈…

万葉歌碑を訪ねて(その322)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(63)―万葉集 巻十四 三四四四

●歌は、「伎波都久の岡の茎韮我れ摘めど籠にも満たなふ背なと摘まさね」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(63)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(63)である。 ●歌をみていこう。 ◆伎波都久乃 乎加能久君美良 和礼都賣杼 故尓毛美…

万葉歌碑を訪ねて(その321)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(62)―万葉集 巻二 九〇

●歌は、「君が行き日長くなりぬ山たづの迎へを行かむ待つには待たじ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(62)(軽太郎女) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(62)である。 ●歌をみていこう。 ◆君之行 氣長久成奴 山多豆乃 迎乎将徃 待尓者不待 …

万葉歌碑を訪ねて(その320)―「東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(61)―万葉集 巻二 二二一

●歌は、「妻もあらば摘みて食げまし沙弥の山野の上のうはぎ過ぎにけらずや」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(61)(柿本人麻呂) ●歌碑は、「東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(61)である。 ●歌をみていこう。 ◆妻毛有者 採而多宜麻之 作美乃山 野上乃…

万葉歌碑を訪ねて(その319)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(60)―

●歌は、「道の辺のいちしの花のいちしろく人皆知りぬ我が恋妻は」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(60)(柿本人麻呂歌集) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(60)である。 ●歌をみてみよう。 ◆路邊 壹師花 灼然 人皆知 我戀孋 或本日 灼然 人…

万葉歌碑を訪ねて(その317,318)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(58,59)―巻十六 三七八六、巻十 二一八九

●歌は、「春さらばかざしにせむと我が思ひし桜の花は散り行けるかも」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(58)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(58)である。 ●この歌は、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その134)」で紹介してい…

万葉歌碑を訪ねて(その314,315,316)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(55,56,57)―

―その314― ●歌は、「我が園の李の花か庭に散るはだれのいまだ残りてあるかも」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(55)(大伴家持) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(55)である。 ―その315― ●歌は、「春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で…

万葉歌碑を訪ねて(その312,313)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(53,54)―万葉集 巻四 六五七、巻一 一二五

●歌は、「思はじと言ひてしものをはねず色のうつろひやすき我が心かも」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(53)(大伴坂上郎女) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(53)である。 ●歌をみていこう。 ◆不念常 日手師物乎 翼酢色之 變安寸 吾意可聞…

万葉歌碑を訪ねて(その310,311)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(51、52)―

●歌は、「千葉の野の子手柏のほほまれどあやに愛しみ置きてたか来ぬ」である。 万葉の森船岡山(51)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(51)である。 ●歌をみていこう。 ◆知波乃奴乃 古乃弖加之波能 保ゝ麻例等 阿夜尓加奈之美 於枳…

万葉歌碑を訪ねて(その309)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(50)―

●歌は、「筑波嶺の新桑繭の衣はあれど君が御衣しあやに着欲しも」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(50)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(50)である。 ●歌をみていこう。 ◆筑波祢乃 尓比具波麻欲能 伎奴波安礼杼 伎美我美家思志 …

万葉歌碑を訪ねて(その308)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(49)―

●歌は、「我がやどにもみつかへるて見るごとに妹を懸けつつ恋ひぬ日はなし」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(49)(大伴田村大嬢) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(49)である。 ●歌をみていこう。 ◆吾屋戸尓 黄變蝦手 毎見 妹乎懸管 不戀日…

万葉歌碑を訪ねて(その306,307)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(47、48)―

―その306― ●歌は、「我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(47)(大伴旅人) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(47)である。 ●この歌を、含む八一五~八四八歌の梅花歌三二首の題詞が、「…

万葉歌碑を訪ねて(その305)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(46)―万葉集 巻十六 三八八五

●歌は、「この片山に二つ立つ櫟が本に梓弓八つ手挟み・・・」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(46)(乞食者の詠) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(46)である。 ●歌をみてみよう。 ◆伊刀古 名兄乃君 居々而 物尓伊行跡波 韓國乃 虎神乎 生取…

万葉歌碑を訪ねて(その303,304)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(44、45)―万葉集 巻九 一七七七、巻十六 三八三二

―その303― ●歌は、「君なくはなぞ身装はむ櫛笥なる黄楊の小枝も取らむとも思はず」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(44)(播磨娘子) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(44)である。 ●この歌については、拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その22…

万葉歌碑を訪ねて(その301、302)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(42、43)―万葉集 巻二 一五八、巻八 一六七二

―その301― ●歌は、「山吹の立ちよそひたる山清水汲みに行かめど道の知らなくに」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(42)(高市皇子) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(42)である。 ●この歌に関しては、これまでに、ブログ拙稿「万葉歌碑を…

万葉歌碑を訪ねて(その298、299、300)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(39、40,41)―万葉集 巻十四 三四二四、巻十九 四一九九、巻十 一九七六

―その298― ●歌は、「下つ毛野三毳の山のこ楢のすまぐはし子ろは誰か笥か持たむ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(39)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(39)である。 ●歌をみていこう。 ◆之母都家野 美可母乃夜麻能 許奈良能…

万葉歌碑を訪ねて(その296,297)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(37、38)―万葉集 巻一 五四、巻二十 四四六五

―その296― ●歌は、「巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(37)(坂門人足) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(37)である。 この歌については、直近では、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて…

万葉歌碑を訪ねて(その294改、295改)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(35、36)―万葉集 巻二 一四二、巻十一 二三五三

―その294― ●歌は、「家なれば笱に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る」 万葉の森船岡山万葉歌碑(35)(有間皇子) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(35)である。 ●この歌については、これまでも何度か触れている。直近では、ブログ拙稿…

万葉歌碑を訪ねて(その292、293)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(33、34)―

―その292― ●歌は、「あしひきのこの片山のもむ楡を五百枝剥ぎ垂れ・・・」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(33)(乞食者の詠) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(33)である。 この歌については、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その213…

万葉歌碑を訪ねて(その291)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(32)―

●歌は、「ひさかたの 天の原より 生れ来たる 神の命 奥山の 賢木の枝に 白香)付け 木綿取り付けて・・・」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(32)(大伴坂上郎女) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(32)である。 ●歌をみていこう。 ◆久堅之 天…

万葉歌碑を訪ねて(その290)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(31)―巻五 九〇二

●歌は、「水沫なす微き命も拷縛の千尋にもがとねがひくらしつ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(31)(山上憶良) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(31)である。 ●歌をみていこう。 ◆水沫奈須 微命母 栲縄能 千尋尓母何等 慕久良志都 (山上…

万葉歌碑を訪ねて(その289)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(30)―

●歌は、「瓜食めば子ども思ほゆ栗食めばまして偲はゆいづくより来りしものぞまなかひにもとなかかりて安寐し寝さぬ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(30)(山上憶良) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(30)である。 ●歌をみていこう。 ◆宇利…

万葉歌碑を訪ねて(その288)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(29)―

●歌は、「我が背子が捧げて持てるほほがしはあたかも似るか青き蓋」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(29)(僧 恵行) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(29)である。 ●歌をみていこう。 ◆吾勢故我 捧而持流 保寶我之婆 安多可毛似加 青盖 (僧…

万葉歌碑を訪ねて(その287)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(28)―万葉集 巻十四 三四一七

●歌は、「上つ毛野伊奈良の沼の大藺草外に見しよは今こそまされ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(28)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(28)にある。 ●歌をみていこう。 ◆可美都氣努 伊奈良能奴麻乃 於保為具左 与曽尓見之欲波 …

万葉歌碑を訪ねて(その286)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(27)―万葉集 巻八 一四九〇

●歌は、「ほととぎす待てど来鳴かずあやめぐさ玉に貫く日をいまだ遠みか」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(27)(大伴家持)( ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(27)である。 ●歌をみていこう。 ◆霍公鳥 雖待不来喧 菖蒲草 玉尓貫日乎 未遠美…

万葉歌碑を訪ねて(その285)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(26)―万葉集 巻七 一二四九

●歌は、「君がため浮沼の池の菱摘むと我が染めし袖濡れにけるかも」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(26)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(26)である。 ●歌をみていこう。 ◆君為 浮沼池 菱採 我染袖 沾在哉 (作者未詳 巻七 一…

万葉歌碑を訪ねて(その284)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(25)―万葉集 巻六 九四二

●歌は、「あぢさはふ妹が目離れて敷栲の枕もまかず桜皮巻き作れる船に・・・」(長歌) 万葉の森船岡山万葉歌碑(25)(山部赤人) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(25)である。 ●歌をみていこう。 ◆味澤相 妹目不數見而 敷細乃 枕毛不巻 櫻皮…

万葉歌碑を訪ねて(その283)―東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(24)―万葉集 巻十 二一〇四

●歌は、「朝顔は朝露負ひて咲くといへど夕影にこそ咲きまさりけれ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(24)(作者未詳) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(24)である。 ●歌をみていこう。 ◆朝杲 朝露負 咲雖云 暮陰社 咲益家礼 (作者未詳 巻十…