万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧

万葉集の世界へ飛び込もう(その2925)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―布勢水海

●歌は、「 布勢の海の沖つ白波あり通ひいや年のはに見つつ偲はむ(大伴家持 17-3992)」である。 【布勢水海】 「大伴家持(巻十七‐三九九二)(歌は省略)こんにちは“松田江の浜”の裏側から氷見市街南西方十二町潟(じゅうにちょうがた)付近、さらに南西の…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2924)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―つまま

●歌は、「磯の上のつままを見れば根を延へて年深くあらし神さびにけり(大伴家持 19-4159)」である。 【つまま】 「大伴家持(巻十九‐四一五九)(歌は省略) 天平勝宝二年(七五〇)三月九日春の出挙(すいこ)のために、家持が国庁からいまの氷見(ひも)…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2923)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―しぶたにの崎

●歌は、「馬並めていざ打ち行かな渋谿の清き磯廻に寄する波見に(大伴家 17-3954)」である。 【しぶたにの崎】 「大伴家持(巻十七‐三九五四)(歌は省略)・・・国分から海岸ぞいにJR氷見線に沿うて1キロ半、その付近の出崎(岩崎の鼻)が渋谿(しぶた…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2922)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―奈呉の浦

●歌は、「東風をいたみ奈呉の浦廻に寄する波いや千重しきに恋ひわたるかも(大伴家持 19-4213)」である。 【奈呉の浦】 「大伴家持(巻十九‐四二一三)(歌は省略) 新湊(しんみなと)の海岸・・・一帯が万葉当時の奈呉(なご)の漁村だ。国庁からも見おろ…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2921)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―奈呉の江

●歌は、「港風寒く吹くらし奈呉の江に妻呼び交し鶴多に鳴く(大伴家持 17-4018)」である。 【奈呉の江】 「大伴家持(巻十七‐四〇一八)(歌は省略) 国庁のあった伏木(ふしき)の台地からはすぐ東方に射水川(小矢部(おやべ)川)の川筋も河口も富山湾も…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2920)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―二上山

●歌は、「玉櫛笥二上山に鳴く鳥の声の恋しき時は来にけり(大伴家持 17-3987)」である。 【二上山】 「大伴家持(巻十七‐三九八七)(歌は省略) 伏木(ふしき)の国庁のあった台地ははすでに二上(ふたがみ)山(二五九メートル)の東麓の高地である。この…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2919)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―越中国庁址(二)

●歌は、「春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子(大伴家持 19-4139)」である。 【越中国庁址(二)】 「大伴家持(巻十九‐四一三九)(歌は省略) 北国は冬が長く暗いだけに春は自然も人もよみがえる喜びだ。これは家持が越中でむかえる四度目の春、…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2918)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―越中国庁址(一)

●歌は、「しなざかる越に五年住み住みて立ち別れまく惜しき宵かも(大伴家持 19-4250)」である。 【越中国庁址】 「大伴家持(巻十九‐四二五〇)(歌は省略)大伴家持が越中国守として在任したのは天平一八年(七四六)七月から天平勝宝三年(七五一)八月…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2917)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―机の島

●歌は、「鹿島嶺の 机の島の しただみを い拾ひ持ち来て 石もち つつき破り 早川に 洗ひ濯ぎ 辛塩に こごと揉み 高坏に盛り 机に立てて 母にあへつや 目豆児の刀自 父にあへつや 身女児の刀自(能登国歌 16-3880)」である。 【机の島】 「能登国歌(巻十六‐…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2916)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―熊来のやら

●歌は、「はしたての 熊来のやらに 新羅斧 落し入れ わし かけてかけて な泣かしそね 浮き出づるやと見む わし(能登の国歌 16-3878)」である。 【熊来のやら】 「能登の国歌(巻十六‐三八七八)(歌は省略)『熊来(くまき)』は七尾湾西湾から北に抱く地…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2915)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―珠洲の海

●歌は、「珠洲の海に朝開きして漕ぎ来れば長浜の浦に月照りにけり(大伴家持 17-4029)」である。 【珠洲の海】 「大伴家持(巻十七‐四〇二九)(歌は省略)家持の能登巡察は鳳至(ふげし)郡から能登半島最北端の珠洲(すず)郡におよんだ。・・・珠洲郡は…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2914)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―にぎし川

●歌は、「妹に逢はず久しくなりぬ饒石川清き瀬ごとに水占延へてな(大伴家持 17-4028)」である。 【にぎし川】 「大伴家持(巻十七‐四〇二八)(歌は省略) 能登巡察の家持は羽咋(はくい)の気多(けた)神社参拝後、七尾に出て、船で七尾湾西湾の奥の熊木…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2913)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―羽咋の海

●歌は、「志雄道から直越え来れば羽咋の海朝なぎしたり舟楫もがも( 大伴家持 17-4025)」である。 【羽咋の海】 「大伴家持(巻十七‐四〇二五)(歌は省略)越中国守大伴家持は、天平二〇年(七四八)春の出挙(すいこ)のため越中諸国を巡行し、さらに、当…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2912)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―味真野

●歌は、「味真野に宿れる君が帰り来む時の迎へをいつとか待たむ(狭野弟上娘子 15-3770)」である。 【味真野】 「狭野弟上娘子(巻十五‐三七七〇)(歌は省略)・・・『あぢま野』は武生の東方八キロの武生市味真野(あじまの)町(もと今立(いまだて)郡…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2911)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―かへる

●歌は、「可敝流廻の道行かむ日は五幡の坂に袖振れ我れをし思はば( 大伴家持 18-4055)」である。 【かへる】 「大伴家持(巻十八‐四〇五五)(歌は省略) 大伴家持は天平一八年(七四六)から天平勝宝三年(七五一)までまる五年間、越中国守として、いま…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2910)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―越路の雪

●歌は、「み越道の雪降る山を越えむ日は留まれる我れを懸けて偲はせ(笠金村 9-1786)」である。 【越路の雪】 「笠金村(巻九‐一七八六)(歌は省略)・・・人馬の歩行による以外にすべのなかった万葉のむかしには、中央の都人らにとっては、愛発(あらち)…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2909)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―手結が浦

●歌は、「越の海の手結が浦を旅にして見れば羨しみ大和偲ひつ(笠金村 3-376)」である。 【手結が浦】 「笠金村(巻三‐三六七)(歌は省略)愛発(あらち)山から敦賀(つるが)(古代には角鹿(つのが)に出れば、敦賀は北陸道の咽頭部であるのはもちろん…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2908)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―三方の海

●歌は、「若狭にある三方の海の浜清みい行き帰らひ見れど飽かぬかも(作者未詳 7-1177)」である。 【三方の海】 「作者未詳(巻七‐一一七七)(歌は省略)『三方の海』といえば、・・・いわゆる三方五湖(久々子(くぐし)・日向(ひゅうが)・水月(すいげ…

万葉集の世界に飛び込もう(その2907)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―後瀬山

●歌は、「かにかくに人は言ふとも若狭道の後瀬の山の後も逢はむ君(坂上大嬢 4-737)」である。 【後瀬山】 「坂上大嬢(巻四‐七三七)(歌は省略)万葉のころ中央から北陸へはふつう近江湖北の塩津から愛発(あらち)山を越えて越前に入るものだが、湖西今…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2906)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―因幡国庁址

●歌は、「新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事(大伴家持 20-4516)」である。 【因幡国庁址】 「大伴家持(巻二十‐四五一六)(歌は省略)淳仁天皇の天平宝字三年(七五九)正月一日、饗を国や郡の役人らに賜わった新年賀会のおりの、因幡国守…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2905)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―飫宇の海

●歌は、「飫宇(おう)の海の川原の千鳥汝(な)が鳴けば我が佐保川の思ほゆらくに(門部王 3-371)」である。 【飫宇の海】 「門部王(巻三‐三七一)(歌は省略)この歌の題詞には『出雲守門部王、京(みやこ)を思ふ歌』とある。当時の出雲国庁は中海(な…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2904)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―志都の岩室

●歌は、「大汝少彦名のいましけむ志都の岩屋は幾代経ぬらむ(生石真人 3-355)」である。 【志都の岩室】 「生石真人(巻三‐三五五)(歌は省略)大国主神と少彦名(すくなびこな)神による国土経営の伝説は諸国にあって、当時信仰として各地に生きていたも…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2903)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―浮沼の池

●歌は、「君がため浮沼の池の菱摘むと我が染めし袖濡れにけるかも(柿本人麻呂歌集 7-1249)」である。 【浮沼の池】 「柿本人麻呂歌集(巻七‐一二四九)(歌は省略)島根県のほぼ中央、もとの石見(いわみ)国と出雲国との境に三瓶(さんべ)山がある。出雲…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2902)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―鴨山

●歌は、「鴨山の岩根しまける我れをかも知らにと妹が待ちつつあるらむ(柿本人麻呂 2-223)」である。 【鴨山】 「柿本人麻呂(巻二‐二二三)(歌は省略) 人麻呂は題詞に『薨』とも『卒』ともなく『死』とあるところから六位以下の微官とされ、没年は平城遷…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2901)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―石川

●歌は、「直に逢はば逢ひかつましじ石川に雲立ち渡れ見つつ偲はむ( 依羅娘子 2-225)」である。 【石川】 「依羅娘子(巻二‐二二五)(歌は省略)この歌は人麻呂が没したとき妻依羅娘子(よさみのおとめ)がよんだ歌二首の一つである。依羅娘子は人麻呂が石…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2900)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―からの崎

●歌は、「つのさはふ 石見(いはみ)の海の 言(こと)さへく 辛之埼(からのさき)なる いくりにそ 深海松(ふかみる)生(お)ふる 荒礒(ありそ)にそ 玉藻(たまも)は生(お)ふる 玉藻なす なびき寝(ね)し児を・・・柿本人麻呂 2-135」」である。 【…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2899)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―高角山

●歌は、「石見のや高角山の木の間より我が振る袖を妹見つらむか(柿本人麻呂 2-132)」ならびに「笹の葉はみ山もさやにさやけども我は妹思ふ別れ来ぬれば(柿本人麻呂 2-133)」である。 【高角山】 「柿本人麻呂(巻二‐一三二)(巻二‐一三三)(いずれも…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2898)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―石見の海

● 柿本(かきのもと)朝臣人麻呂、石見の国(いはみのくに)より妻を別れて上り来る時の歌 石見(いはみ)の海 角(つの)の浦(うら)みを」 浦なしと 人こそ見らめ潟なしと 人こそ見らめ よしゑやし 浦はなくとも よしゑやし 潟はなくとも」 鯨魚(いさな)取り 海…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2897)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―薩摩の迫門

●歌は、「隼人(はやひと)の瀬戸の巌(いはほ)も鮎(あゆ)走る吉野の滝になほ及(し)かずけり(大伴旅人 6-960)」である。 【薩摩の迫門】 「大伴旅人(巻六‐九六〇)(歌は省略)『隼人(はやひと)』は九州南部に住んでいた人種名だが、ここでは薩摩…

万葉集の世界へ飛び込もう(その2896)―書籍掲載歌を中軸に(Ⅱ)―水島

●歌は、「聞きしごとまこと尊くくすしくも神さびをるかこれの水島(長田王 3-245)」である。 【水島】 「長田王(巻三‐二四五)(歌は省略)こんにち球磨(くま)川河口は八代(やつしろ)市にはいって三分流している。そのいちばん南の南(みなみ)川河口…