万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

初詣190101(大神神社そして三輪万葉)

●お正月である。初詣は奈良三輪の大神神社(おおみわじんじゃ)にお参りする。大神神社は、「ご祭神の大物主大神(おおものぬしのおおかみ)がお山に鎮まるために、古来本殿は設けずに拝殿の奥にある三ツ鳥居を通して三輪山を拝するという原初の神祀りの様を伝える我が国最古の神社」(大神神社HPより)である。

 

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大神神社の拝殿

 この拝殿の後ろに三ツ鳥居があり三輪山を拝する。

 例年通り、大鳥居の横の駐車場に車を止め参道を歩く。

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大神神社の大鳥居

 大鳥居から二の鳥居への参道の途中にJR桜井線の踏切がある。今年は丁度列車が通過したので写真におさめた。これまで一度も列車に巡り合うことがなかったので今年はいい年になりそうと思った。 

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JR桜井線踏切

 

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なでうさぎ

 江戸時代の中期から大神神社に伝わり、からだを撫でてご神助を祈願することから、いつの頃からか「なでうさぎ」の名で親しまれているそうである。

 願い事がおおいのでいつもの通り撫でまわしてしまった。なでうさぎの艶は芸術の域である。

 拝殿に参拝し、おみくじをひき、破魔矢とお守りを求め、なでうさぎを撫でるのが毎年の流れである。今年もパワーをいただきました。

 

三輪山に関する万葉集の歌

 うまざけ三輪の山 あをによし奈良の山の山の際(ま)に い隠るまで 道の隈い積もるまでに しばしばも見放(さ)けむ山を 情(こころ)なく雲の隠さふべしや(巻一・十七)

 反歌

 三輪山をしかも隠すか 雲だにも心あらなも隠さうべしや(巻一・十八)

 

 額田王天智天皇に召されて、近江の国にくだる時の歌。三輪山よ奈良の山々の山際に隠れてしまうので、道の曲がり角がいくつも曲がって遠ざかるまでなおはるかに眺めたいと思う山を 思いやりもなく、雲が隠してしまうのか。

 (反歌三輪山を隠してしまうのか、雲にも心があるのなら隠せないはずだ

 

 三輪山を、奈良の地の象徴として振り返り振り返り眺めながら近江に旅立つある意味、未練というか望郷の気持ちを、雲が隠すことに憤りながら一層際立たせている。反歌では、このようにまで思う三輪山を隠してしまうのか、雲にも思いやりがあってほしいものだ、と強く言い放っている。

 

 額田王といえば、「熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」の歌が思い浮かぶ。天智天皇の妃である。両首とも力強さを感じさせる歌であると思う。

 

●サンドイッチはお休み

 元旦はさすがにお雑煮である。サンドイッチはお休み。具だくさんのお雑煮を中心に、ローストビーフ、鯖他押寿司3種、錦玉子、ゴボウとニンジンの大切り煮込みはミニバイキング方式で、初詣を済ませてからお正月をお祝いした。

 今年も良い年でありますように。

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お正月祝料理