万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

ザ・モーニングセット190126(万葉の小径シリーズーその20うのはな)

●今朝のサンドイッチの中味はサニーレタスとウィンナーソーセージである。

砥部焼の大皿に盛り付けた。サニーレタスのバインダーにケチャップを少々使った。

f:id:tom101010:20190126214422j:plain

1月26日のモーニングセット

デザートは、バナナの半分を縦切りに4分割し並べ、伊予柑を四方に配し、ブドウと干しブドウをバナナの間に飾った。

f:id:tom101010:20190126214515j:plain

1月26日のデザート

 今日は、奈良の若草山の山焼きである。食事を終え帰宅途中に花火が上がっているので、山焼きだと気づき、平城宮跡に向かう。遠目ではあったが、雰囲気は味わえた。しかし、ニュースでも言っていたが、今年一番の寒波、寒いのを通り越し冷たいのなんの。早々に車に戻る。

 万葉の歌碑シリーズは「うのはな」である。

 

●万葉の小径シリーズ-その20 うのはな ウツギ

 

霍公鳥(ほととぎす) 来(き)鳴き響(とよ)もす 卯(う)の花の

 共にや来(き)しと 問はましものを

            (石上堅魚<いそのかみかつお> 巻八 一四七二)

 

霍公鳥 来鳴令響 宇乃花能 共也来之登 問麻思物乎

 

ほととぎすが鳴いて辺りを響かせている。卯の花と共に来たのかと尋ねたいものだなあ。

 

 「卯の花は五月末頃に白い花を咲かせ、今日、正確にはウツギと呼ばれる落葉低木を指している。万葉集には二四首の歌が歌われ、その中一六首がほととぎすと共に詠まれているので、石上堅魚がほととぎすの声を聞いて、卯の花はまだ咲かないかと思うのは、梅が咲いて鶯の声を楽しみ、もみちの頃に雁を思うのと、同じ心の表れである。

 ほととぎすの鳴き声は「鳴き響(とよ)もす」と歌われる場合が多い。鳴いて辺りを響かせると聞いているのだが、他には、春のうぐいすや雉(きぎし)の鳴き声を、さらには秋の鹿の鳴き声をやはり「鳴き響もす」と歌っている。また、ほととぎすや鹿の声は、時として「山彦とよめ」と歌われるほど、辺りを響かせていたようだ。

石上堅魚は、この時、都からの弔問の使者として大宰府の師(そち:長官)大伴旅人を訪ねている。神亀(じんぎ)五年(七二八)大宰師として着任直後、妻大伴郎女に先立たれた大伴旅人を弔問したの後、勅使や大宰府の役人とともに記夷の城(きのき:今の基山<きやま>)に登った時に、旅人の心を思って歌ったものである。」

                        (万葉の小径 うのはなの歌碑)

 

 この歌の左記には、「右神亀五年戊辰太宰師大伴卿之妻大伴郎女遇病長逝焉 干時 勅使式部大輔石上朝臣堅魚遣大宰府弔喪幷賜物也 其事既畢驛使及府諸卿大夫等共登記夷城而望遊之日乃作此歌」とある。

 

 万葉集には150種類以上の植物が詠まれているそうである。万葉人は成長する植物に生命力を感じ、呪力があると信じていたようである。

 松が祭の木の代表としてマツの名を負っているともいわれている。「茂岡に神さび立ちて栄えたる千代松の木の年しらなく」(巻六 九九〇)と樹齢のながい松の木に霊威を感じたのであろう。

 

 

f:id:tom101010:20190126224301j:plain

卯の花(うつぎ)の花


  

(参考文献)

★万葉の小径 うのはなの歌碑

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「別冊國文学 万葉集必携」 稲岡 耕二 編 (學燈社