万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

最近橿原市が作成した、パンフレット「橿原の万葉歌碑めぐり―万葉人の心、千年を越えて、日本最初の歌集・万葉集―」は、使い勝手がよく、歌碑めぐりが効率的に行うことができたのである。(万葉歌碑を訪ねて―その136―)

●最近橿原市が作成した、パンフレット「橿原の万葉歌碑めぐり―万葉人の心、千年を越えて、日本最初の歌集・万葉集―」は、通し番号、歌、収録巻と番号、作者、揮毫者、所在地、さらに訳と歌碑の写真がコンパクトに並べられている。全部で42か所の歌碑が紹介されている。裏面には、地図があり、歌碑の場所が、通し番号で記されている。4つ折りのハンディタイプ仕上げになっており、歌碑を探索するものにとってこれほど重宝したものはなかった。もちろんネットなどでの情報を加味してであるが、効率的に周ることができたのはいうまでもない。 

 

●サンドイッチは、サニーレタスとトマトそれに焼き豚である。デザートは、りんごのスライスを三次元的に積み上げ、バナナ、トンプソンとクリムゾンシードレス、レッドグローブで加飾した。

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7月16日のザ・モーニングセット

 

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7月16日のフルーツフルデザート

●万葉歌碑を訪ねて―その136―

「天飛ぶや軽の社の斎ひ槻幾代まであらむ隠り妻ぞも」

 

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奈良県橿原市大軽町春日神社境内万葉歌碑(作者未詳)

この歌碑は、奈良県橿原市大軽町の春日神社にある。

 橿原神宮の東南方向約500m位のところにある。近くには橿原市立畝傍東小学校や同幼稚園がある。小学校の方から下って来ると、前方右手にこんもりした木々が見える。底から這いあがるように曲がりくねった道を上ると鳥居が見えて来る。

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橿原市大軽町春日神社鳥居と境内

 鳥居には扁額がかかっていない。鳥居の奥右手の木々の中に「応神天皇軽島豊明宮跡」の碑がある。その碑のすぐ近くに歌碑があった。

 

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応神天皇軽島豊明宮阯の碑と万葉歌碑

 

 

歌をみていこう。

◆天飛也 軽乃社之 斎槻 幾世及将有 隠嬬其毛

                                 (作者未詳 十一 二六五六)

 

≪書き下し≫天(あま)飛(と)ぶや 軽(かる)の社(やしr)の斎(いは)ひ槻(つき)幾代(いくよ)まであらむ隠(こも)り妻(づま)ぞも

 

(訳)天飛ぶ雁というわけではないが、軽の社の槻の木、その神木がいつの世までもあるように、あなたはいつまでも忍び妻のままでいるのであろうか。(伊藤 博 著 「万葉集 三」 角川ソフィア文庫より)

(注)天飛ぶや【天飛ぶや】:分類枕詞

   ①空を飛ぶ意から、「鳥」「雁(かり)」にかかる。「あまとぶや鳥」。

   ②「雁(かり)」と似た音の地名「軽(かる)」にかかる。

(注)斎槻:いつき:神が宿るという槻(つき)の木。神聖な槻の木。

 

  「万葉集目録」をみてみると、巻十一は次のようになっている。

  古今相聞往来歌類の上

旋頭歌 十七首

正述心緒歌百四十九首

寄物陳思歌三百二首

問答歌廿九首

譬喩歌十三首

 

実際の構成は次の通りである。

 

旋頭歌 二三五一~二三六二歌 右十二首柿本朝臣人麻呂之歌集出

    二三六三~二三六七歌 右五首古歌集中出

正述心緒 二三六八~二四一四歌

寄物陳思 二四一五~二五〇七歌

問答 二五〇八~二五一六歌 以前一百四十九首柿本朝臣人麻呂之歌集出

正述心緒 二五一七~二六一八歌

寄物陳思 二六一九~二八〇七歌

問答 二八〇八~二八二七歌

譬喩 二八二八~二八四〇歌

 

 これに関して、神野志隆光氏は、「万葉集をどう読むか―歌の『発見』と漢字」(東京大学出版会)の中で、「巻十一、巻十二ともに、『正述心緒』『寄物陳思』と分類した歌群(巻十一は『問答』も)を、まず人麻呂歌集歌として載せ、そのあとにまた、おなじ『正述心緒』『寄物陳思』『問答』という分類をもって構成します。『旋頭歌』『羇旅発思』の部も、はじめに人麻呂歌集歌を配するというものです。旋頭歌の『古歌集』以外は、何ら注記がありません。」と解析されている。

人麻呂歌集歌を拡大したかたちで他の歌集歌とも相まって、万葉集としての歌の広がりを見せていることがわかる。

 

 

(参考文献)

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「万葉集 三」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫

★「万葉集をどう読むか―歌の『発見』と漢字」 神野志隆光 著(東京大学出版会

★「かしはら探訪ナビ」(橿原市HP)

★「橿原の万葉歌碑めぐり」(橿原市観光政策課)

★「weblio古語辞典 (学研全訳古語辞典)」