●歌は、「天の川梶の音聞こゆ彦星と織女と今夜逢ふらしも」である。
●歌をみていこう。
◆天漢 梶音聞 孫星 与織女 今夕相霜
(作者未詳 巻十 二〇二九)
≪書き下し≫天(あま)の川(がは)梶(かぢ)の音(おと)聞こゆ彦星(ひこぼし)と織女(たなばたつめ)と今夜(こよひ)逢(あ)ふらしも
(訳)天の川に、櫓を漕ぐ音が聞こえる。彦星と織女とが、今夜いよいよ共寝するらしい。((伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソフィア文庫より)
天野川沿いに緑地公園が細長く整備されており、天野川橋から逢合橋まで1400mが「おりひめコース」と名付けられており散策コースになっている。歌碑は、学研都市線と国道1号線のほぼ真ん中、交野橋から国道1号線方向に少し進んだところにあった。
七夕一色の街である。
(参考文献)
★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)
◆◆◆万葉歌碑めぐり(三重県鈴鹿市、四日市市、松阪市、多気郡明和町)◆◆◆
計画は次の通りである。
鈴鹿市山辺町「山辺御井之碑」➡四日市市松原町「聖武天皇社」➡同大宮町「志氐神社」➡同市堂が山町「昭和幸福の村公園」➡松阪市東黒部町「阿弥陀寺」➡多気郡明和町斎宮「歴史の道」➡同「斎王の森」(昭和幸福の村公園は本日休園となっていたので巡り逢うことができなかった)
詳しくは、後日、歌の解説と共に書く予定である。ごくごく簡単にコースを追ってみる。
6時過ぎに家を出発、ナビを頼りにひたすら走り続ける。最終的には細い山道に誘導される。通学の学生さんらが自転車を押して登って行く。車を止める。前方右手方向に「山辺の御井」の案内板が目に飛び込んできた。山に入って行く感じで進むと碑と説明案内板があった。
神社正面右手に立派な万葉歌碑が建てられていた。もう一つは、本殿右手に小さな社がありそこに建てられていた。神社の前は松原公園である。「松原公園由来記」が建てられていた。
同大宮町「志氐神社」
社務所の斜め前に小山があり、その上に歌碑が建てられていた。本殿左手奥には、「志氐神社境内古墳」の碑があった。
到着し駐車場に車を止める。なんと、すぐ横に歌碑があった。
「歴史の道」案内板をみて、一番近くの歌碑が万葉集のものであることを確認した。道沿いには、新古今集や拾遺和歌集を始め当地にゆかりの歌碑がいくつか建てられている。
同史跡斎宮跡「斎王の森」
観光案内所で場所を教えてもらう。斎王の森はその一角だけが別世界のような荘厳さがあった。「史跡 斎王宮址」の碑が建てられており、近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。