ザ・モーニングセット&フルーツフルデザート190321(万葉歌碑を訪ねて―その17―)

●今日は春分の日である。イングリッシュマフィンにサンチュと焼き豚を挟んだ。半分に切り、風車様に並べた。

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3月21日のザ・モーニングセット

 デザートは、中心部の2色のブドウの切合わせを置き、八朔を十字状に配し、バナナをその間に埋め、ブドウで飾り付けた。

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3月21日のフルーツフルデザート

 今日の万葉歌碑の紹介は山部赤人である。山部赤人といえば、「田児の浦ゆうち出でて見れば真白にそ不尽の高嶺に雪は降りける」(巻三 三一八)が有名である。「きれいな」歌である。自然歌人といわれるだけに自然との間の澄んだ歌が多い。

 

●万葉歌碑を訪ねて―その17―

 「春の野にすみれ摘みにと來しわれぞ野をなつかしみ一夜宿にける」 

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古市町和楽園万葉歌碑 (山部赤人



◆春野尓(はるののに) 須美礼採尓等(すみれつみにと) 來師吾曽(こしわれぞ) 野乎奈都可之美(のをなつかしみ) 一夜宿二来(ひとよねにける)

                (山部赤人 巻八 一四二四)

(略訳)春の野にスミレを摘もうとやって来た私であるが、野の美しさにひかれ一晩すごしてしまった

 

 部立は、春雑歌であり、題詞は、「山部宿祢赤人歌四首」。他の三首も紹介してみる。

 

◆足比奇乃(あしひきの) 山櫻花(やまさくらばな) 日並而(ひならべて) 如是開有者(かくさきたらば) 甚戀目夜裳(いとこひめやも)

                 (山部赤人 巻八 一四二五)

(略訳)山桜の花が何日もこのように咲いているならこれほどまでに恋しく思うことはあるだろうか

 

◆吾勢子尓(わがせこに) 令見常念之(みせむとおもいし) 梅花(うめのはな) 其十方不所見(それともみえず) 雪乃零有者(ゆきのふれれば)

                 (山部赤人 巻八 一四二六)

(略訳)あなたに見せようと思った梅の花であるが、梅の花と見分けがつかないほど雪が降ってしまったので

 

◆従明日者(あすよりは) 春菜将採跡(はるなつまむと) 標之野尓(しめしのに) 昨日毛今日毛(きのふもけふも) 雪波布利管(ゆきはふりつつ)

                 (山部赤人 巻八 一四二七)

(略訳)明日はきっと春菜を摘もうと決めていた野に昨日も今日も雪が降り続いている

 

 山部赤人について、犬養 孝氏は「万葉人びと」(新潮文庫)の中で、「『万葉集』に四十九首の歌があるんですが、この人は今日の言葉でいえば最も創作意識の旺盛な人と言えるでしょう。美の創作意識といったらいいかもしれません。しかも、自然にぶつかった時に情熱を感じる。」と述べておられる。さらに、他の歌についても、「自然の奥底に入っていくような、自然の声に、じっと耳を傾けているような歌」と評されている。

 この歌碑の歌も続く三首も「きれいな」歌だなあと思ってしまう。中西 進氏も「万葉の心」(毎日新聞社)の中で「赤人は『なつかし』さのゆえに野に一夜をあかす。これが万葉びとの詩の在り方」と述べておられる。

 

(参考文献)

★「萬葉集」鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「万葉の人びと」犬養 孝 著 (新潮文庫

★「万葉の心」中西 進 著 (毎日新聞社