万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

万葉集の世界に飛び込もう―万葉歌碑を訪ねて(その2353)―

■くず■

「万葉植物園 植物ガイド105」(袖ケ浦市郷土博物館発行)より引用させていただきました。

●歌は、「真葛原靡く秋風吹くごとに阿太の大野の萩の花散る」である。

千葉県袖ケ浦市下新田 袖ヶ浦公園万葉植物園万葉歌碑(プレート)(作者未詳) 20230926撮影

●歌碑(プレート)は、千葉県袖ケ浦市下新田 袖ヶ浦公園万葉植物園にある。

 

●歌をみていこう。

 

◆真葛原 名引秋風 毎吹 阿太乃大野之 芽子花散

       (作者未詳 巻十 二〇九六)

 

≪書き下し≫真葛原(まくずはら)靡(なび)く秋風吹くごとに阿太(あだ)の大野(おほの)の萩の花散る

 

(訳)葛が一面に生い茂る原、その原を押し靡かせる秋の風が吹くたびに、阿太の大野の萩の花がはらはらと散る。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソフィア文庫より)

(注)まくずはら【真葛原】名詞:葛が生えている原。「まくずがはら」とも。 ※「ま」は接頭語。(weblio古語辞典 学研全訳古語辞典)

(注)阿太の大野:奈良県五條市阿太付近の野。大野は原野の意。(伊藤脚注)

 

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 この歌については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その442)」で奈良県五條市大野新田 阿太峯神社にある歌碑とともに紹介している。

 ➡ 

tom101010.hatenablog.com

 

 


2020年2月26日奈良県御所市や五條市の万葉歌碑巡りを行った。二〇九六歌の歌碑は奈良県五條市大野新田 阿太峯神社にある。

神社参道左手に万葉歌碑がある。この歌碑も思い出深いものがある。

歌碑の写真を撮っていると、近くで農作業をしていた方が手をとめ近づいてこられた。

 その方に、「歌碑を見に来ていただきありがとうございます。」と感謝されたのである。驚きである。

お話を伺うと、歌碑は近隣の皆さんが協力して、石も手分けして探しに行き選んで立てられたそうである。歌碑の前が刈り取ってあるが、萩が植えられており季節には花が色を添える。

さらにこの辺りは、開墾地で、昔はグライダーの飛行訓練場があったとのことである。(後で調べると阿太峯飛行場に関する記事があった)

確かに新田という地名もうなずける。

また言われてみると平坦で広大な地形である。

いろいろ歌碑に関するお話を聞かせていただいたうえに、帰る道筋も丁寧に教えていただく。

歌碑に対する思い入れがひしひしと伝わってくる。のっけからの感謝の言葉が理解できた。

歌碑を通して地元の方といろいろと語りあえたのは有意義であった。

万葉歌碑が取り持つ縁である。

 

 

 

■■田尻海上釣り堀釣行記■■

 昨日、久しぶりに、息子と娘(いずれも有休)に大阪府泉南郡の海釣りポート田尻に連れて行ってもらった。孫は、仕事や学校である。

 カンパチ、ハマチ、イサギ、鯛と賑やかな釣果であった。

 娘が用意したちくわを切ってニンニクに漬けたものでも意外と釣れたのであった。

 小生は、午前中は6度ほどバラしてしまった。腕が落ちたものである。

 2時に終了となるが、その10分前に、70cmのカンパチを釣り上げたのである。奇跡である。

 イワシ1尾を餌にしこまめに動かし誘う。そのかいがあってか、ウキがズボッと引き込まれる。強烈な引きである。午前中のバラしが頭をよぎる。必死である。懸命に竿を立てドラッグを巻き上げる。きしむドラッグ。格闘すること数分。ようやく釣り上げる。足はガクガク。




 

 

 

 

(参考文献)

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「万葉集 二」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫

★「万葉植物園 植物ガイド105」(袖ケ浦市郷土博物館発行)

★「植物で見る万葉の世界」(國學院大學「万葉の花の会」発行)

★「weblio古語辞典 学研全訳古語辞典」