万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

万葉集の世界に飛び込もう―万葉歌碑を訪ねて(その2436)―

■もも■

「万葉植物園 植物ガイド105」(袖ケ浦市郷土博物館発行)より引用させていただきました。

●歌は、「春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子」である。

千葉県袖ケ浦市下新田 袖ヶ浦公園万葉植物園万葉歌碑(大伴家持) 20230926撮影

●歌碑は、千葉県袖ケ浦市下新田 袖ヶ浦公園万葉植物園にある。

 

●歌をみていこう。

 

◆春苑 紅尓保布 桃花 下照道尓 出立▼嬬

   (大伴家持 巻十九 四一三九)

    ※▼は、「女」+「感」、「『女』+『感』+嬬」=「をとめ」

 

≪書き下し≫春の園(その)紅(くれなゐ)にほふ桃の花下照(したで)る道に出で立つ娘子(をとめ)

 

(訳)春の園、園一面に紅く照り映えている桃の花、この花の樹の下まで照り輝く道に、つと出で立つ娘子(おとめ)よ。(伊藤 博 著 「万葉集 四」 角川ソフィア文庫より)

(注)春の園:桃花の咲く月に入ってその盛りを幻想した歌か。春苑・桃花・娘子の配置は中国詩の影響らしい。(伊藤脚注)

 

 この歌については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その2395)」で、集中「紅」を詠んだ歌と共に紹介している。

 ➡ 

tom101010.hatenablog.com

 

 

 

 この歌については、これまでも様々な場面で紹介して来た。重複感は否めないが紹介してみよう。

 

高岡市万葉歴史館ブロンズ像と当該歌碑

これについては、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その825)」で紹介している。

 ➡ 

tom101010.hatenablog.com

 

 

 

 これまでに見て来た四一三九歌の歌碑をみてみよう。





 歌碑あり、歌碑プレートありで、立てられた万葉植物園や当該地の思いも伝わってくる。

 このように振り返ってみるものまた楽しからずや、である。

 今後も機会を見つけて挑戦を続けていきたいものである。

 

 

 

 

(参考文献)

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「万葉集 四」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫

★「万葉植物園 植物ガイド105」(袖ケ浦市郷土博物館発行)

★「weblio古語辞典 学研全訳古語辞典」