●歌は、「片岡のこの向つ峰に椎蒔かば今年の夏の陰に並みむか」である。
●歌碑は、奈良県香芝市今泉 志都美神社(しづみじんじゃ)にある。
明日香村の犬養孝氏揮毫の万葉歌碑15か所はすべて巡ったので、あとはマップと奈良女子大の万葉歌碑データをもとに作戦を立てる必要がある。
一旦、明日香村を離れ、奈良県香芝市を調べてみる。香芝市HPに「市内の万葉歌碑紹介」があり、7首の歌が紹介されている。
これに基づき、グーグルマップで検索しながら、計画をたてる。
(7月10日)志都美神社(1)➡香芝市総合体育館(2)➡中央公民館(4)➡穴虫峠(1) 注:( )は歌の数である。
志都美神社駐車場に車を止める。100mほど手前に鳥居があったが、地図によるとその横辺りに万葉歌碑がある。歩いて戻る。参道はⅬ字型になっている。次の写真は、手前の鳥居である。この奥100mほどのところに鳥居(扁額あり)から逆L字型に
拝殿、本殿がある。
●歌をみてみよう。
◆片岡之 此向峯 椎蒔者 今年夏之 陰尓将化疑
(作者未詳 巻七 一〇九九)
≪書き下し≫片岡(かたおか)のこの向(むか)つ峰(みね)に椎(しひ)蒔(ま)かば今年(ことし)の夏の蔭(かげ)にならむか
(訳)片岡という名の、この向かいの高みに椎の実を蒔いたなら、今年の夏の日蔭になり変わるであろうか。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソフィア文庫より)
(注)片岡:奈良県北葛城郡王寺町、香芝市一帯の丘陵地か。伊藤博氏はこの歌の脚注に「寓意をもつ歌らしいが、真意不明」と書かれている。
何のためかは不明であるが、椎の実を蒔いて育て、日陰を作る発想は、現代の省エネの考えに近く微笑ましく思える。彼女の元へ通うための日蔭であろうか。
題詞は、「詠岳」<岳(おか)を詠む>である。
同神社の真新しい説明案内文に「神社の背後に広がる森(社そう)は県の天然記念物に指定され、北の武烈陵の樹そうと一体となって自然林として残されています。巨樹は少ないですが、見事な林相が形成されていて、学術上きわめて貴重な自然が保たれています」と記されている。
神社の北にある武烈陵は宮内庁HPによると、「傍丘磐坏丘北陵(かたおかのいわつきのおかのみささぎ)」である。「傍丘」は「かたおか」と読むようである。
(参考文献)
★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)
●本日のザ・モーニングセット&フルーツフルデザート
サンドイッチは、オープンサンドにした。レタス、焼き豚、トマト、キュウリを順番に積み上げた。トッピングは粒胡椒入りマスタードを少々である。デザートはバナナとトンプソンとクリムゾンシードレスのスライスで円形模様を施した。中央には同切合わせを配した。