●歌は、「足の音せず行かむ駒もが葛飾の真間の継橋やまず通はむ」である。

●歌碑は、千葉県市川市真間四丁目「真間の継橋」にある。
●歌をみていこう。
◆安能於登世受 由可牟古馬母我 可豆思加乃 麻末乃都藝波思 夜麻受可欲波牟
(作者未詳 巻十四 三三八七)
≪書き下し≫足(あ)の音(おと)せず行かむ駒(こま)もが葛飾の真間(まま)の継橋(つぎはし)やまず通(かよ)はむ
(訳)足音を立てずに行くような駒でもあったらなあ。そしたら、その駒で、葛飾の真間の継橋を、しょっちゅう通うことができよう。。(伊藤 博 著 「万葉集 三」 角川ソフィア文庫より)
(注)あ 【足】名詞:足(あし)。 ⇒参考:上代語。「足占(あうら)」「足結(あゆひ)」などのように多く複合語の形で使われた。(weblio古語辞典 学研全訳古語辞典)
(注)つぎはし【継橋】〘 名詞 〙 橋脚となる柱をところどころに立て、その上に幾枚もの橋板を継ぎ足して渡した橋。(コトバンク 精選版 日本国語大辞典)
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この歌については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その2308)」で紹介している。
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いつかは、と思ってきた「真間」の地にいることが信じられない。小さな「つぎはし」を渡る、歌は、「足(あ)の音(おと)せず」とあるが、思いきっり足音を立てて、ここにいるんだと自分に聞かせたい衝動に駆られる。
歌碑巡りが久しぶりなこともあり、異常な興奮に包まれている自分を抑えながらそっと橋を渡ったのである。

市立市川考古博物館・市立市川歴史博物館HP「文化財(市指定)真間万葉顕彰碑」の稿「真間万葉顕彰碑(継橋)」に「‘真間の継橋’とは、かつてこの地域が真間の入江の開口部であったころ、いくつもの洲を渡るのにかけられた橋です。」と書かれている。
「真間万葉顕彰碑(継橋)」ならびに上の「『真間の継橋』説明案内板」は、橋の反対側にある。

(参考文献)
★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)
★「weblio古語辞典 学研全訳古語辞典」
★「市立市川考古博物館・市立市川歴史博物館HP」