万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

万葉歌碑を訪ねて(その2123)―①-2-1 奈良市の万葉歌碑(1)―

奈良市二条大路南奈良市役所万葉歌碑(巻十五 三六〇二)■

奈良市二条大路南奈良市役所万葉歌碑(当所誦詠古歌)

●歌をみていこう。

 

◆安乎尓余志 奈良能美夜古尓 多奈妣家流 安麻能之良久毛 見礼杼安可奴加毛

     (当所誦詠古歌 巻十五 三六〇二)

 

≪書き下し≫あをによし奈良の都にたなびける天(あま)の白雲(しらくも)見れど飽(あ)かぬかも

 

(訳)青土香る奈良の都にたなびいている天の白雲、この白雲は見ても見飽きることがない。(「万葉集 三」 伊藤 博 著 角川ソフィア文庫より)

 

 三六〇二から三六一一歌の歌群の題詞は、「當所誦詠古歌」<所に当りて誦詠(しようえい)する古歌>である。

(注)難波津出航後から、備後と安芸の国の境長井の浦までの間で、旅愁を慰めるために誦われたという形。(伊藤脚注)

 

 三六〇二歌について、伊藤 博氏は、脚注で「思慕の地奈良の雲をほめる歌を望郷歌に転用したもの。古歌群の冒頭歌」と書かれている。

 

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この歌碑は、「万葉歌碑を訪ねて」シリーズの第1稿である。2019年3月5日(この当時は、奈良市大宮町に住んでいた)に、奈良市庁舎を訪れ、万葉歌碑を撮影しブログに書いたのである。あれから4年、平成から令和と移り、本シリーズも(その2123)を数えている。この時は、奈良近辺には万葉歌碑が結構あるのでその紹介で終わると思っていたが、ブログを書いているうちに万葉集の魅力にはまってしまったのである。

小生にとって記念すべき歌碑である。

 

 この歌碑ならびに歌については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その1改)」で紹介している。

 ➡ 

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奈良市法蓮町ホテルリガーレ春日野万葉歌碑(巻八 一四二三)■

奈良市法蓮町ホテルリガーレ春日野万葉歌碑(大伴坂上郎女

 この歌碑ならびに歌については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その12改)」で紹介している。

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 佐保山茶論HPに「大納言大伴安麻呂は平城遷都により佐保に大邸宅を構えたことで佐保大納言と称されました。安麻呂は平城遷都を遡ること38年前に勃発した古代最大の戦『壬申の内乱』の功労者で、安麻呂の嫡男が旅人、旅人の嫡男(安麻呂の孫)が家持です。

 安麻呂から旅人そして家持に引き継がれた大伴邸がホテルリガーレ春日野・奈良総合庁舎の地あたりにあったと推定されたのは万葉学者川口常孝先生です。発掘調査の結果、奈良時代の大邸宅があったことが判明し、その敷地は約260㍍四方あったと推定され、川口説を裏付けたような結果になりました。この大伴邸推定地の北辺は佐保山茶論から南へ直線距離で約50㍍の所です。

 こうした奈良時代の佐保を知っていただくため、奈良市指定の『歴史の道』に面する佐保山茶論門前に大伴家持万葉歌碑を建立いたしました。」と書かれている。

 次に「佐保山茶論門前の大伴家持万葉歌碑」をみてみよう。

 

 この付近を歩いていると、タイムスリップして大伴家持坂上郎女たちと巡り合えそうな気持になる。不思議な空間である。

 

奈良市法蓮町佐保山茶論門前万葉歌碑(巻十九 四二九一)■

奈良市法蓮町佐保山茶論門前万葉歌碑(大伴家持

 佐保山茶論ならびに歌碑については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その32改)」で紹介している。

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奈良市法蓮町佐保川堤万葉歌碑■

ホテルリガーレ春日野から南300mほどのところに佐保川が流れている。両岸の桜は奈良市最大の桜の名所ともいわれている。

佐保川の手前に「大仏鉄道記念公園」がある。

その先の佐保川堤に万葉歌碑が立てられている。(注意喚起板も歌が記載されているので歌碑(プレート)扱いとしました。)

写真上3枚は佐保川南岸、下3枚は同北岸にあります。



 

春日大社萬葉植物園万葉歌碑(巻十二 三一〇一、三一〇二)ならびに歌碑(プレート)(巻二 一一一から144基)■

春日大社萬葉植物園万葉歌碑(作者未詳)

 この歌碑ならびに歌については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その1184)」で紹介している。

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春日大社萬葉植物園万葉歌碑<陶板プレート>(弓削皇子

 この万葉歌碑<陶板プレート>は144基撮影しそれぞれ歌とともに紹介している。

 

 弓削皇子の万葉歌碑<陶板プレート>は、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その1041」で紹介している。

 ➡ 

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春日大社萬葉植物園万葉歌碑<陶板プレート>(大伴家持

 

 大伴家持の万葉歌碑<陶板プレート 144基目>は、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その1185」で紹介している。(歌碑ナンバーは通しでうっているので上記の三一〇一ならびに三一〇二歌の歌碑も含みます)

 ➡ 

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奈良市法蓮佐保山  万葉の苑万葉歌碑(巻十一 二四五六)ならびに歌碑(プレート)(54基)■

奈良市法蓮佐保山  万葉の苑万葉歌碑(作者未詳)

 この歌碑については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その16改)」で紹介している。

 ➡ 

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奈良市法蓮佐保山  万葉の苑万葉歌碑<プレート>(巻一 九〇左注)

 この歌碑<プレート>については、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(番外200513)」で紹介している。

 ➡ 

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奈良市法蓮佐保山  万葉の苑万葉歌碑<プレート>(巻十九 四二九一)

大伴家持の万葉歌碑<陶板プレート 54基目>は、拙稿ブログ「万葉歌碑を訪ねて(その551)」で紹介している。

 ➡ 

tom101010.hatenablog.com

 

 

 奈良市内の万葉歌碑を絞って紹介しようと試みたが、これもこれもこれも捨てがたいという思いに駆られ奈良市の万葉歌碑は2回に分けることにいたしました。次稿も引き続きよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

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(参考文献)

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「万葉集 一」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫

★「万葉集 二」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫

★「万葉集 三」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫

★「万葉集 四」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫

★「佐保山茶論HP」