万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

万葉歌碑を訪ねて(その61改,62改)―春日大社北参道沿い―万葉集 巻八 一五三七、一五三八

―その61―

 

●歌は、「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花」である。

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春日大社境内万葉歌碑(山上憶良)<七種の花>

●歌碑は、春日大社北参道沿いにある。

 

●歌をみていこう。

 

◆秋野尓 咲有花乎 指折 可伎數者 七種花  其一

                  (山上憶良 巻八 一五三七)

 

≪書き下し≫秋の野に咲きたる花を指(および)折りかき数(かぞ)ふれば七種(ななくさ)の花  その一

 

(訳)秋の野に咲いている花、その花を、いいか、こうやって指(および)を折って数えてみると、七種の花、そら、七種の花があるんだぞ。(伊藤 博著「萬葉集 二」角川ソフィア文庫より)

 

 

 

―その62― 

●歌は、「萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花」である。

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春日大社境内万葉歌碑(山上憶良)<朝顔の花>

 ●歌碑は、その61の歌碑とほぼ並んで、春日大社北参道沿いにある。

 

◆芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝顔之花  其二

                  (山上憶良 巻八 一五三八)

      ※「朝顔」と「顔」の字を用いているが、「白の下に八」であるが、

        漢字が見当たらなかったため「顔」としている。

 

≪書き下し≫萩の花 尾花(をばな) 葛花(くずはな) なでしこの花 をみなへし また藤袴(ふぢはかま) 朝顔の花  その二

 

(訳)一つ萩の花、二つ尾花、三つに葛の花、四つになでしこの花、うんさよう、五つにおみなえし。ほら、それにまだあるぞ、六つ藤袴、七つ朝顔の花。うんさよう、これが秋の七種の花なのさ。(伊藤 博著「萬葉集 二」角川ソフィア文庫より)

 

 一五三七歌に「其一」、一五三八歌に「其二」となっているのは、組歌で一つの内容をなす謡いものであることを示している。

 

 春日大社万葉植物園と参道の歌碑を巡ったのは4月16日であった。

 平城宮跡歴史公園の朱雀門ひろばにある駐車場(交通ターミナル)に車を止め、ぐるっとバスを利用する。大宮通りルートである。「奈良春日野フォーラム甍前」で降りる。(100円/人)

 平日であるが、観光立国を目指すだけあって、ぐるっとバスも海外勢の実効支配下に。

バスの中から北参道にある小さな歌碑が二つ確認できた。バスを降りて歩き出すと、またしても海外勢の団体が。鹿はかしこく海外からの来客に丁寧に頭を下げている。

歌碑めぐりを終え、帰りのバス停へと向かう。先に二人が待っていた。日本語だ!ほっとする。

 ぐるっとバスで、平城宮跡歴史公園に戻る。ここは以前とはかなり様相が異なっている。駐車場が整備され、食事処(天平うまし館)、土産物処(天平みつき館)ができている。まえは、遣唐使展示船がアスファルトのうえにあったが、船は水に浮かぶ形に変わっていた。しかも船べりと水面のところに煙幕がはられている。こうも変わるんだ。

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遣唐使展示船


 もっとも、以前は駐車料金は無料であったが、時間制(200円/時間)に変わっていた。天平みつき館あるいは天平うまし館を利用すれば、一時間分が無料になる。

みつき館で大判の三笠焼を買って帰ったのであった。

 

この記事を書いているのは、平成31年4月30日である、

明日からは、「令和」である。

平成最後の日に田尻の海洋釣堀に行ってきたのである。

万葉集関連以外の記事は削除するなど順次改訂していますが、平成最後の日の釣行なのでご容赦ください。万葉集に関わる元号「令和」を迎える記念すべき日の行事なので。)

 

●海洋釣堀

 小筏を借り切り、親子3代で攻める。エサは、練餌、イワシ、キビナゴ、シラサエビ、青虫である。釣果は4人で17尾。内訳は、鯛12尾、シマアジ3尾、イサギ1尾、石鯛1尾であった。中でも圧巻は石鯛(エサは青虫)、刺身にしたが、半端じゃないうまさであった。

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釣り開始前の海上釣堀

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大漁!!

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石鯛

 

 

(参考文献)

★「萬葉集」 鶴 久・森山 隆 編 (桜楓社)

★「万葉集 二」 伊藤 博 著 (角川ソフィア文庫

★「国営平城宮跡歴史公園HP」

★「万葉ゆかりの地を訪ねて~万葉歌碑めぐり~」(奈良市HP)

 

※20210511朝食関連記事削除、一部改訂。