万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

万葉歌碑を訪ねて(その900)―大伴旅人の父安麻呂は壬申の乱で功績をあげた

●歌は、「我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも」である。 太宰府メモリアルパーク(1)万葉歌碑(大伴旅人) ●歌碑は、太宰府市大佐野 太宰府メモリアルパーク(1)にある。 ●歌をみていこう。 この歌は、直近では、ブログ拙稿「万葉歌碑…

万葉歌碑を訪ねて(太宰府番外編その5)―太宰府メモリアルパーク―万葉集 梅花の宴

本稿では、八三八歌から八四六歌までの紹介である。 「令和元号記念碑」と「梅花の宴の説明案内図絵」 ◆烏梅能波奈 知利麻我比多流 乎加肥尓波 宇具比須奈久母 波流加多麻氣弖 [大隅目榎氏鉢麻呂] (榎氏鉢麻呂 巻八 八三八) ≪書き下し≫梅の花散り乱(まが…

万葉歌碑を訪ねて(太宰府番外編その4)―太宰府メモリアルパーク―万葉集 梅花の歌三十二首

―太宰府番外編その4- 本稿では、「梅花の宴」の下席の方の人たちの歌八三〇から八三七歌の方からみてみよう。 歌の紹介のあとに当時の役人の働き方も触れている。 「令和元号記念碑」と「梅花の宴の説明案内図絵」 ◆萬世尓 得之波岐布得母 烏梅能波奈 多由…

万葉歌碑を訪ねて(太宰府番外編その3)―太宰府メモリアルパーク―梅花の歌三十二首

―太宰府番外編(その3) 本稿では、八二三から八二九歌をみていこう。 「令和元号記念碑」と「梅花の宴の説明案内図絵」 ◆烏梅能波奈 知良久波伊豆久 志可須我尓 許能紀能夜麻尓 由企波布理都ゝ [大監伴氏百代] (伴氏百代 巻八 八二三) ≪書き下し≫梅の花…

万葉歌碑を訪ねて(太宰府番外編その2)―太宰府メモリアルパーク―万葉集 梅花の歌三十二首

本稿では、梅花歌八一五から八二一歌をみてみよう。 「令和元号記念碑」と「梅花の宴の説明案内図絵」 ◆武都紀多知 波流能吉多良婆 可久斯許曽 烏梅乎乎岐都ゝ 多努之岐乎倍米 [大貮紀卿] (紀卿 巻八 八一五) ≪書き下し≫正月(むつき)立ち春の来(きた…

万葉歌碑を訪ねて(太宰府番外編その1」)―太宰府メモリアルパークー万葉集 梅花の歌三十二首

―太宰府番外編その1― 太宰府歴史スポーツ公園の次は、太宰府メモリアルパークである。 太宰府の街を眺望できる丘の上に広がる墓地公園である。駐車場に車を留める。 予め調べては来たが、広大過ぎる。管理事務所にお邪魔し、万葉歌碑を見て行きたい旨申し出…

万葉歌碑を訪ねて(その899)―太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(10)―万葉集 巻八 一五三一

●歌は、「玉櫛笥蘆城の川を今日見ては万代までに忘れらえめやも」である。 太宰府歴史スポーツ公園(10)万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(10)にある。 ●歌をみていこう。 一五三〇、一五三一歌の題詞は「大宰諸卿…

万葉歌碑を訪ねて(その898-2)―太宰府歴史スポーツ公園―万葉集 巻三 三四〇

―その898-2― この稿では、題詞「大宰帥大伴卿、酒を讃むる歌十三首」の三四五から三五〇歌についてみてみよう。 万葉の時代には、天平4年(732年)、同9年(737年)、天平宝字6年(758年)等、たびたび「禁酒令」が出されていた。 このよう…

万葉歌碑を訪ねて(その898-1)―太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(9)―万葉集 巻三 三四〇

●歌は、「いにしへの七の賢しき人たちも欲りせしものは酒にしあるらし」である。 太宰府歴史スポーツ公園(9)万葉歌碑(大伴旅人) ●歌碑は、太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(9)にある。 ●歌をみてみよう。 ◆古之 七賢 人等毛 欲為物者 酒西有良師…

万葉歌碑を訪ねて(その897)―太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(8)―万葉集 巻五 八〇三

●歌は、「銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも」である。 太宰府歴史スポーツ公園(8)万葉歌碑(山上憶良) ●歌碑は、太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(8)にある。 ●歌をみてみよう。 ◆銀母 金母玉母 奈尓世武尓 麻佐礼留多可良 古尓斯迦…

万葉歌碑を訪ねて(その896)―太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(7)―万葉集 巻八 一四七三

●歌は、「橘の花散る里のほととぎす片恋しつつ鳴く日しぞ多き」である。 太宰府歴史スポーツ公園(7)万葉歌碑(大伴旅人) ●歌碑は、太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(7)にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「大宰帥大伴卿和歌一首」<大宰帥大伴…

万葉歌碑を訪ねて(その895)―太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(6)―万葉集 巻六 九六一

●歌は、「湯の原に鳴く葦鶴は我がごとく妹に恋ふれや時わかず鳴く」である。 太宰府歴史スポーツ公園(6)万葉歌碑(大伴旅人) ●歌碑は、太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(6)にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「帥大伴卿宿次田温泉聞鶴喧作歌一…

万葉歌碑を訪ねて(その894)―太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(5)―万葉集 巻十四 三四二七

●歌は、「筑紫なるにほふ子ゆゑに陸奥の可刀利娘子の結ひし紐解く」である。 太宰府歴史スポーツ公園(5)万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(5)にある。 ●歌をみていこう。 ◆筑紫奈留 尓抱布兒由恵尓 美知能久乃 可刀…

万葉歌碑を訪ねて(その893)―太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(4)―万葉集 巻五 七九八

●歌は、「妹が見し楝の花は散りぬべし我が泣く涙いまだ干なくに」である。 太宰府歴史スポーツ公園(4)万葉歌碑(山上憶良) ●歌碑は、太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(4)にある。 ●歌をみていこう。 この歌は、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(そ…

万葉歌碑を訪ねて(その892)―太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(3)―万葉集 巻十 二一九七

●歌は、「いちしろくしぐれの雨は降らなくに大城の山は色づきにけり」である。 太宰府歴史スポーツ公園(3)万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(3)にある。 ●歌をみてみよう。 ◆灼然 四具礼乃雨者 零勿國 大城山者 色付…

万葉歌碑を訪ねて(その891)―太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(2)―万葉集 巻五 八三九 

●歌は、「春の野に霧立ちわたる降る雪と人の見るまで梅の花散る」である。 太宰府歴史スポーツ公園(2)万葉歌碑(田氏真上) ●歌碑は、太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(2)にある。 ●歌をみていこう。 ◆波流能努尓 紀理多知和多利 布流由岐得 比得…

万葉歌碑を訪ねて(その890)―太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(1)―万葉集 巻五 八二三

●歌は、「梅の花散らくはいづくしかすがにこの城の山に雪は降りつつ」である。 太宰府歴史スポーツ公園(1) ●歌碑は、太宰府市吉松 太宰府歴史スポーツ公園(1)にある。 ●歌をみていこう。 ◆烏梅能波奈 知良久波伊豆久 志可須我尓 許能紀能夜麻尓 由企波…

万葉歌碑を訪ねて(その888-3、889)―北九州市八幡西区岡田町 岡田宮(3)、遠賀郡芦屋町 魚見公園―万葉集 巻七 一二三一

―その888-3- ●歌は、「天霧らひひかた吹くらし水茎の岡の港に波立わたる」である。 岡田宮(3 左端)万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、北九州市八幡西区岡田町 岡田宮(3)にある。 ●歌をみていこう。 この歌については、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて…

万葉歌碑を訪ねて(その887、その888-1、その888-2)―北九州市戸畑区 夜宮公園、八幡西区 岡田宮(1、2)―万葉集 巻十二 三一六五、巻三 三〇四

―その887― ●歌は、「ほととぎす飛幡の浦にしく波のしばしば君を見むよしもがも」である。 夜宮(よみや)公園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、北九州市戸畑区 夜宮(よみや)公園にある。 ●歌をみていこう。 この歌は、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その…

万葉歌碑を訪ねて(その884,885,886)―北九州市小倉北区 勝山公園万葉の庭(4,5,6)―万葉集 巻十二 三二二〇、三二一九、巻十六 三八七六 

―その884― ●歌は、「豊国の企救の高浜高々に君待つ夜らはさ夜更けにけり」である。 北九州市小倉北区 勝山公園万葉の庭(4)万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、北九州市小倉北区 勝山公園万葉の庭(4)にある。 ●歌をみてみよう。 この歌については、ブロ…

万葉歌碑を訪ねて(その883)―北九州市小倉北区 勝山公園万葉の庭(3)―万葉集 巻七 一三九三 

●歌は、「豊国の企救の浜辺の真砂地真直にしあらば何か嘆かむ」である。 勝山公園万葉の庭(3)万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、北九州市小倉北区 勝山公園万葉の庭(3)にある。 ●歌をみていこう。 ◆豊國之 聞之濱邊之 愛子地 真直之有者 何如将嘆 (作者…

万葉歌碑を訪ねて(その882)―北九州市小倉北区 勝山公園万葉の庭(2)―万葉集 巻十二 三一三〇

●歌は、「豊国の企救の浜松ねもころに何しか妹に相言ひそめけむ」である。 勝山公園万葉の庭(2)万葉歌碑(柿本朝臣人麻呂歌集) ●歌碑は、北九州市小倉北区 勝山公園万葉の庭(2)にある。 ●歌をみていこう。 ◆豊洲 聞濱松 心哀 何妹 相云始 (柿本人麻…

万葉歌碑を訪ねて(その881)―北九州市小倉北区 勝山公園万葉の庭(1)―万葉集 巻十二 三一六五

●歌は、「ほととぎす飛幡の浦にしく波のしくしく君を見むよしもがも」である。 勝山公園万葉の庭(1)万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、北九州市小倉北区 勝山公園万葉の庭(1)にある。 ●歌をみていこう。 ◆霍公鳥 飛幡之浦尓 敷浪乃 屡君乎 将見因毛鴨 (…

万葉歌碑を訪ねて(その879、880)―北九州市小倉北区 貴布祢神社―万葉集 巻十二 三二一九、三二二〇

―その879― ●歌は、「豊国の企救の長浜行き暮らし日の暮れゆけば妹をしぞ思ふ」である。 貴布祢神社万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、北九州市小倉北区 貴布祢神社にある。 ●歌をみていこう。 ◆豊國乃 聞之長濱 去晩 日之昏去者 妹食序念 (作者未詳 巻十二 …

万葉歌碑を訪ねて(その878)―豊前国府跡公園万葉歌の森(10)―万葉集 巻九 一七六七 

●歌は、「豊国の香春は我家紐児にいつがり居れば香春我家」である。 豊前国府跡公園万葉歌の森(10)万葉歌碑(抜気大首) ●歌碑は、豊前国府跡公園万葉歌の森(10)にある。 ●歌をみていこう。 この歌は、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その872)で…

万葉歌碑を訪ねて(その875,876,877)―豊前国府跡公園万葉歌の森(7)(8)(9)―万葉集 巻一 二〇、巻六 一〇〇九、巻八 一五三八

―その875- ●歌は、「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」である。 豊前国府跡公園万葉歌の森(7)万葉歌碑(額田王) ●歌碑は、豊前国府跡公園万葉歌の森(7)にある。 ●歌をみていこう。 この歌については、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪…

万葉歌碑を訪ねて(その874)―豊前国府跡公園万葉歌の森(6)―万葉集 巻十六 三八七六

●歌は、「豊国の企救の池なる菱の末を摘むとや妹がみ袖濡れけむ」である。 豊前国府跡公園万葉歌の森(6)万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、豊前国府跡公園万葉歌の森(6)にある。 ●歌をみていこう。 ◆豊國 企玖乃池奈流 菱之宇礼乎 採跡也妹之 御袖所沾計…

万葉歌碑を訪ねて(その873)―豊前国府跡公園万葉歌の森(5)―万葉集 巻六 九五九 

●歌は、「行き帰り常に我が見し香椎潟明日ゆ後には見むよしもなし」である。 豊前国府跡公園万葉歌の森(5)万葉歌碑(宇努首男人) ●歌碑は、豊前国府跡公園万葉歌の森(5)にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「豊前守宇努首男人歌一首」<豊前守(とよ…

万葉歌碑を訪ねて(その872)―豊前国府跡公園万葉歌の森(4)―万葉集 巻 三 三一一

●歌は、「梓弓引き豊国の鏡山見ず久ならば恋しけむかも」である。 豊前国府跡公園万葉歌の森(4)万葉歌碑(くらつくり村主益人) ●歌碑は、豊前国府跡公園万葉歌の森(4)にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「▼作村主益人従豊前國上京時作歌一首」<▼作…

万葉歌碑を訪ねて(その870,871)―豊前国府跡公園万葉歌の森(2,3)―万葉集 巻三 三二八、巻十 二三一五

―その870― ●歌は、「あをによし奈良の都は咲く花のにほうがごとく今盛りなり」である。 豊前国府跡公園万葉歌の森(2)万葉歌碑(小野老) ●歌碑は、豊前国府跡公園万葉歌の森(2)にある。 ●歌をみてみよう。 ◆青丹吉 寧樂乃京師者 咲花乃 薫如 今盛有…