万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

万葉歌碑を訪ねて(その445)―五條市小島町 榮山寺―万葉集 巻九 一七二一

●歌は、「苦しくも暮れゆく日かも吉野川清き川原見れど飽かなくに」である。 五條市小島町 榮山寺万葉歌碑(元仁) ●歌碑は、五條市小島町 榮山寺にある。 ●歌をみていこう。 ◆辛苦 晩去日鴨 吉野川 清河原乎 雖見不飽君 (元仁 巻九 一七二一) ≪書き下し≫…

万葉歌碑を訪ねて(その444)―五條市今井町 荒木神社―万葉集 巻十一 二八三九 

●歌は、「かくしてやなほまもらむ大荒木の浮田の社の標にあらなくに」である。 五條市今井町 荒木神社万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、五條市今井町 荒木神社にある。 ●歌をみていこう。 ◆如是為哉 猶八成牛鳴 大荒木之 浮田之社之 標尓不有尓 (作者未詳 巻…

万葉歌碑を訪ねて(その442、443)―五條市大野新田 阿太峯神社、五條市西阿田 行円律寺―万葉集 巻十 二〇九六

―その442― ●歌は、「真葛原靡く秋風吹くごとに阿太の大野の萩の花散る」である。 阿太峯神社万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、五條市大野新田 阿太峯神社にある。 ●歌をみていこう。 ◆真葛原 名引秋風 毎吹 阿太乃大野之 芽子花散 (作者未詳 巻十 二〇九六…

万葉歌碑を訪ねて(その441)―御所市古瀬 阿吽寺―万葉集 巻一 五四

●歌は、「巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を」である。 御所市古瀬 阿吽寺万葉歌碑(坂門人足) ●歌碑は、御所市古瀬 阿吽寺にある。 ●歌をみていこう。 歌については、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その296)でも紹介している。重…

万葉歌碑を訪ねて(その440)―御所市高天 高天寺橋本院駐車場―万葉集 巻七 一三三七 

●歌は、「葛城の高間の草野早知りて標刺さましを今ぞ悔しき」である。 高天寺橋本院駐車場万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、御所市高天 高天寺橋本院駐車場にある。 ●歌をみていこう。 ◆葛城乃 高間草野 早知而 標指益乎 今悔拭 (作者未詳 巻七 一三三七) ≪…

万葉歌碑を訪ねて(その439)―奈良県御所市森脇 葛城一言主神社―万葉集 巻十一 二六三九 

●歌は、「葛城の襲津彦真弓新木にも頼めや君が我が名告りけむ」である。 葛城一言主神社万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、奈良県御所市森脇 葛城一言主神社にある。 ●歌をみていこう。 ◆葛木之 其津彦真弓 荒木尓毛 憑也君之 吾之名告兼 (作者未詳 巻十一 二…

万葉歌碑を訪ねて(その435、436、437、438)―葛城市柿本近鉄新庄駅人麻呂橋欄干、奈良県当麻健民運動場、農業者健康管理休養管理センター、御所小学校横―

―その435― ●歌は、「春柳葛城山に立つ雲の立ちても居ても妹をしぞ思ふ」である。 新庄駅前人麻呂橋欄干万葉歌碑(柿本人麻呂歌集) ●歌碑は、葛城市柿本近鉄新庄駅人麻呂橋欄干にある。 新庄駅前には高田川が流れており、人麻呂橋がかかっている。その袂…

万葉歌碑を訪ねて(その434)―葛城市柿本 近鉄新庄駅東側ロータリー北万葉歌碑― 万葉集 巻十 二二四三 

●歌は、「秋山に霜降り覆ひ木の葉散り年は行くとも我れ忘れやも」である。 葛城市柿本 近鉄新庄駅東側ロータリー北万葉歌碑(柿本人麻呂歌集) ●歌碑は、葛城市柿本 近鉄新庄駅東側ロータリー北(駅側)にある。 ●歌をみていこう。 ◆秋山 霜零覆 木葉落 歳雖…

万葉歌碑を訪ねて(その433)―葛城市柿本 柿本神社―万葉集 巻十一 二四五三

●歌は、「春柳葛城山に立つ雲の立ちても居ても妹をしぞ思ふ」である。 葛城市柿本 柿本神社万葉歌碑(柿本人麻呂歌集) ●歌碑は、葛城市柿本 柿本神社にある。 ●歌をみていこう。 ◆春楊 葛山 發雲 立座 妹念 (柿本人麻呂歌集 巻十一 二四五三) ≪書き下し≫…

万葉歌碑を訪ねて(その432)―葛城郡三宅町伴堂太子道沿い―万葉集 巻十三 三二九五、三二九六

●歌は、「うちひさつ三宅の原ゆ直土に足踏み貫き夏草を腰になづみいかなるや人の子ゆゑぞ通はすも我子うべなうべな母は知らじうべなうべな父は知らじ蜷の腸か黒き髪に真木綿もちあざさ結ひ垂れ大和の黄楊の小櫛を押へ刺すうらぐわし子それぞわが妻」(13-329…

万葉歌碑を訪ねて(その431)―北葛城郡広陵町 百済寺―万葉集 巻八 一四三一 

●歌は、「百済野の萩の古枝に春待つと居りしうぐひす鳴きにけむかも」である。 北葛城郡広陵町 百済寺万葉歌碑(山部赤人) ●歌碑は、北葛城郡広陵町 百済寺にある。 ●歌をみていこう。 ◆百濟野乃 芽古枝尓 待春跡 居之鸎 鳴尓鶏鵡鴨 (山部赤人 巻八 一四三…

万葉歌碑を訪ねて(その430)―生駒郡斑鳩町法隆寺 上宮遺跡公園―万葉集 巻十二 三〇二〇

●歌は、「斑鳩の因可の池のよろしくも君を言はねば思ひぞ我がする」である。 上宮遺跡公園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、生駒郡斑鳩町法隆寺 上宮遺跡公園にある。 ●歌をみていこう。 ◆斑鳩之 因可乃池之 宜毛 君乎不言者 念衣吾為流 (作者未詳 巻十二 三…

万葉歌碑を訪ねて(その427、428、429)―三重県多気郡明和町斎宮 歴史の道、同 斎王の森―万葉集 巻二 一〇五、一〇六

―その427― ●歌は、「我が背子を大和へ遣るとさ夜更けて暁露に我が立ち濡れし」である。 歴史の道万葉歌碑(大伯皇女 巻二 一〇五) ●歌碑は、三重県多気郡明和町斎宮 歴史の道にある。 ●歌をみていこう。 ◆吾勢祜乎 倭邊遺登 佐夜深而 鷄鳴露尓 吾立所霑…

万葉歌碑を訪ねて(その426)―三重県松阪市東黒部町 阿弥陀寺―万葉集 巻一 六一、巻七 一一六二 

●歌は、「ますらをのさつ矢手挟み立ち向ひ射る円方はみるにさやけし」(舎人娘子)と 「円方の港の洲鳥波立てや妻呼び立てて辺に近づくも」(作者未詳)の二つである。 三重県松阪市東黒部町 阿弥陀寺万葉歌碑(舎人娘子、作者未詳) ●歌碑は、三重県松阪市…

万葉歌碑を訪ねて(その425)―三重県四日市市大宮町 志氐神社―万葉集巻六 一〇三一 

●歌は、「後れにし人を思はく思泥の崎木綿取り垂でて幸くとぞ思ふ」である。 ●歌碑は、三重県四日市市大宮町 志氐神社にある。 四日市市大宮町 志氐神社万葉歌碑(丹比屋主真人) ●歌をみていこう。 ◆後尓之 人乎思久 四泥能埼 木綿取之泥而 好往跡其念 (丹…

万葉歌碑を訪ねて(その423,424)―三重県四日市市松原町 聖武天皇社―万葉集 巻六 一〇三〇

―その423、424― ●歌は、どちらも「妹に恋ひ吾の松原見わたせば潮干の潟に鶴鳴き渡る」である。 ●歌碑は、三重県四日市市松原町 聖武天皇社にある。 聖武天皇社万葉歌碑(佐々木信綱揮毫) その423の歌碑は、聖武天皇社参道右手にある大きな碑である…

万葉歌碑を訪ねて(その422)―三重県鈴鹿市山辺町 山辺御井の碑―万葉集 巻一 八一 

●歌は、「山辺の御井を見がてり神風の伊勢娘子ども相見つるかも」である。 鈴鹿市山辺町 「山辺御井之碑」長田王 ●歌碑は、三重県鈴鹿市山辺町 山辺御井の碑である。 ●歌をみていこう。 ◆山邊乃 御井乎見我弖利 神風乃 伊勢處女等 相見鶴鴨 (長田王 巻一 八…

万葉歌碑を訪ねて(その419,420,421)―滋賀県湖南市 JR石部駅前公園ならびに蒲生郡竜王町 雪野山大橋欄干―万葉集 巻十一 二四四四ならびに巻一 二十、二十一) 

―その419― ●歌は、「白真弓石辺の山の常盤なる命なれやも戀ひつつ居らむ」である。 JR石部駅前公園万葉歌碑 ●歌碑は、滋賀県湖南市 JR石部駅前公園にある。 ●歌をみていこう。 ◆白檀 石邊山 常石有 命哉 戀乍居 (作者未詳 巻十一 二四四四) ≪書き下…

万葉歌碑を訪ねて(その418)―東近江市八日市清水町 薬師寺―万葉集 巻一 十六 

●歌は、「冬こもり春去り来れば鳴かずありし鳥も来鳴きぬ咲かずありし花も咲けれど山を茂み入りても取らず草深み取りても見ず秋山の木の葉を見ては黄葉をば取りて偲ふ青きをば置きてぞ嘆くそこし恨めし秋山我れは」である。 東近江市八日市清水 薬師寺万葉歌…

万葉歌碑を訪ねて(その417)―東近江市下麻生 山部神社―万葉集 巻八 一四二四

●歌は、「春の野にすみれ摘みにと来しわれぞ 野をなつかしみ一夜寝にける」である。 山部神社万葉歌碑(山部赤人 巻8-1424) ●歌碑は、東近江市下麻生 山部神社にある。 ●歌をみていこう。 ◆春野尓 須美礼採尓等 來師吾曽 野乎奈都可之美 一夜宿二来 …

万葉歌碑を訪ねて(その416)―東近江市下麻生 山部神社―万葉集巻三 三一八

●歌は、「田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける」である。 山部神社万葉歌碑(山部赤人 巻3-318) ●歌碑は、東近江市下麻生 山部神社にある。 ●歌をみていこう。 ◆田兒之浦従 打出而見者 真白衣 不盡能高嶺尓 雪波零家留 (山辺…

万葉歌碑を訪ねて(その414、415)―東近江市八日市本町 市神神社―巻一 二〇、二十一 巻四 四八八

―その414― ●歌は、額田王の「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」と 大海人皇子の「紫草のにほえる妹を憎くあらば人妻故に我れ恋ひめやも」である。 市神神社「額田王立像碑」碑文(額田王、大海人皇子) ●歌碑は、東近江市八日市本町 市…

万葉歌碑を訪ねて(その413)―彦根市肥田町 宇曽川堤防―万葉集 巻十二 三〇九二  そして生駒市万葉歌碑めぐり

●歌は、「白真弓斐太の細江の菅鳥の妹に恋ふれか寐を寝かねつる」である。 肥田町 宇曽川堤防万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、彦根市肥田町 宇曽川堤防にある。 ●歌をみていこう。 ◆白檀 斐太乃細江之 菅鳥乃 妹尓戀哉 寐宿金鶴 (作者未詳 巻十二 三〇九二)…

万葉歌碑を訪ねて(その412)―彦根市正法寺町 大堀山登口―万葉集 巻四 四八七、巻十一 二七一〇

●歌は、「近江道の鳥籠の山なる不知哉川日のころごろは恋ひつつもあらむ」と「犬上の鳥籠の山にある不知哉川いさとこ聞こせ我が名告らすな」の二首である。 彦根市正法寺町 大堀山登口万葉歌碑 ●歌碑は、彦根市正法寺町 大堀山登口にある。 ●歌をみていこう…

万葉歌碑を訪ねて(その411)―滋賀県彦根市 JR彦根駅東口―万葉集 巻四 四八七

●歌は、「近江道の鳥籠の山なる不知哉川日のころごろは恋ひつつもあらむ」である。 滋賀県彦根市 JR彦根駅東口万葉歌碑(崗本天皇) ●歌碑は、滋賀県彦根市 JR彦根駅東口にある。 ●歌をみていこう。 ◆淡海路乃 鳥籠之山有 不知哉川 氣乃己呂其侶波 戀乍裳将…

万葉歌碑を訪ねて(その409,410)―滋賀県米原市世継 蛭子神社、同 磯南町 磯崎神社横湖畔―万葉集 巻二十 四四五八、同 巻三 二七三

―その409― ●歌は、「にほ鳥の息長川は絶えぬとも君に語らむ言尽きめやも」である。 滋賀県米原市世継 蛭子神社万葉歌碑(馬史国人) ●歌碑は、滋賀県米原市世継 蛭子神社にある。 ●この歌は、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その405)」に紹介している…

万葉歌碑を訪ねて(その408)―滋賀県米原市能登瀬 県道246沿い―

●歌は、「さざれ波磯越道なる能登瀬川音のさやけさたぎつ瀬ごとに」である。 滋賀県米原市能登瀬 県道246沿い万葉歌碑(波多小足) ●歌碑は、滋賀県米原市能登瀬 県道246沿いにある。 ●歌をみていこう。 ◆小浪 磯越道有 能登湍河 音之清左 多藝通瀬毎…

万葉歌碑を訪ねて(その407)―滋賀県米原市能登瀬 能登瀬会館―

●歌は、「高湍にある能登瀬の川の後も逢はむ妹には我れは今にあらずとも」である。 滋賀県米原市能登瀬 能登瀬会館万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、滋賀県米原市能登瀬 能登瀬会館にある。 ※歌碑には、「波多朝臣小足」とあるが、「萬葉集」(鶴 久・森山 隆 …

万葉歌碑を訪ねて(その406)―滋賀県米原市上丹生 いぼとり公園―

●歌は、「ま金吹く丹生のま朱の色に出て言はなくのみぞ我が恋ふらくは」である。 米原市上丹生 いぼとり公園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、滋賀県米原市上丹生 いぼとり公園にある。 ●歌をみていこう。 ◆麻可祢布久 尓布能麻曽保乃 伊呂尓▼弖 伊波奈久能未…

万葉歌碑を訪ねて(その405)―滋賀県米原市朝妻筑摩 朝妻公園―巻二十 四四五八

●歌は、「にほ鳥の息長川は絶えぬとも君に語らむ言尽きめやも」である。 朝妻公園万葉歌碑(馬史国人) ●歌碑は、滋賀県米原市朝妻筑摩 朝妻公園にある。 ●歌をみていこう。 ◆尓保杼里乃 於吉奈我河波半 多延奴等母 伎美尓可多良武 己等都奇米也母 古新未詳 …