万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

2019-01-01から1年間の記事一覧

万葉歌碑を訪ねて(その247)―滋賀県大津市錦織2丁目 近江大津京錦織遺跡―万葉集 巻一 二九

●歌は、「玉だすき畝傍の山の橿原のひじりの御代ゆ生れましし神のことごとつがの木のいやつぎつぎに天の下知らしめししを天にみつ大和を置きてあをによし奈良山を越えいかさまに思ほしめせかあまざかる鄙にはあれどいはばしる近江の国の楽浪の大津の宮の天の…

万葉歌碑を訪ねて(その246改)―大津市田上枝町 田上枝公園グランド駐車場―万葉集 巻一 五〇

●歌は、「 やすみしし我が大君高照らす日の皇子あらたへの藤原が上に食(お)す国を見したまはむとみあらかは高知らさむと神ながら思ほすなへに天地(あめつち)も 依りてあれこそいはばしる近江の国の衣手の田上(たなかみ)山の真木さく檜のつまでをものの…

万葉歌碑を訪ねて(その244,245)―大津市和邇南浜和邇川左岸河口、南小松 ホテル琵琶レイクオーツカ前―万葉集 巻九 一七一五

●歌は、いずれも「楽浪の比良山風の海吹けば釣りする海人の袖返る見ゆ」である。 ●歌碑(その244)は、大津市和邇南浜和邇川左岸河口にある。 大津市和邇南浜和邇川河口万葉歌碑(作者未詳) 一方の(その245)は、大津市南小松 ホテル琵琶レイクオー…

万葉歌碑を訪ねて(その243)―大津市唐崎 唐崎苑湖岸緑地―万葉集 巻二 一一五

●歌は、「後れ居て恋ひつつあらずは追ひ及かむ道の隈みに標結へ我が背」である。 大津市唐崎 唐崎苑湖岸緑地(但馬皇女) ●歌碑は、大津市唐崎 唐崎苑湖岸緑地にある。 ●歌をみてみよう。 ◆遺居而 戀管不有者 追及武 道之阿廻尓 標結吾勢 (但馬皇女 巻二 一…

万葉歌碑を訪ねて(その241,242)―大津市唐崎 唐崎苑湖岸緑地万葉歌碑―万葉集 巻一 三〇、巻一 一五二

◎万葉歌碑を訪ねて(その241) ●歌は、「楽浪の志賀の唐崎幸くあれど大宮人の舟待ちかねつ」である。 大津市唐崎 唐崎苑湖岸緑地万葉歌碑(柿本人麻呂) ●歌碑は、大津市唐崎 唐崎苑湖岸緑地にある。 この歌に関しては、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(そ…

万葉歌碑を訪ねて(その238改,239改,240改)―大津京シンボル緑地、びわ湖大津館湖畔―万葉集 巻三 二六六、巻四 四八八

◎万葉歌碑を訪ねて(その238) ●歌は、「近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ」である。 大津京シンボル緑地万葉歌碑(柿本人麻呂) ●歌碑は、大津市錦織 大津京シンボル緑地にある。 この歌については、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(…

万葉歌碑を訪ねて(その237)―大津市錦織 大津京シンボル緑地―

●歌は、「我れはもや安見児得たり皆人の得かてにすといふ安見児得たり」である。 大津市錦織 大津京シンボル緑地万葉歌碑(藤原鎌足) ●歌碑は、大津市錦織 大津京シンボル緑地 にある。 大津京シンボル緑地の碑 この歌に関して、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ね…

万葉歌碑を訪ねて(その236)―大津市神宮町 近江神宮前近江時計眼鏡宝飾専門学校入口―

●歌は、「近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ」である。 大津市神宮町 近江神宮前近江時計眼鏡宝飾専門学校入口万葉歌碑(柿本人麻呂) ●歌碑は、大津市神宮町 近江神宮前近江時計眼鏡宝飾専門学校入口にある。 (注)近江時計眼鏡宝飾専門…

万葉歌碑を訪ねて(その235)―大津市神宮町 近江神宮―万葉集 巻一 三三

●歌は、「楽浪の国つ御神のうらさびて荒れたる都見れば悲しも」である。 大津市神宮町 近江神宮参道万葉歌碑(高市黒人) ●歌碑は、大津市神宮町 近江神宮にある。 近江神宮楼門 近江神宮拝殿 ●歌をみていこう。 ◆樂浪乃 國都美神乃 浦佐備而 荒有京 見者悲毛 …

万葉歌碑を訪ねて(その234)―大津市皇子が丘 JR大津京駅前―万葉集 巻一 二〇・二一

●歌は、「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」(額田王)と 「紫草のにほえる妹を憎くあらば人妻故に我れ恋ひめやも」(大海人皇子)である。 大津市皇子が丘 JR大津京駅前万葉歌碑(額田王と大海人皇子) ●歌碑は、大津市皇子が丘 JR大津京駅…

万葉歌碑を訪ねて(その233)―滋賀県大津市 大津市役所 正面横時計台下―万葉集 巻一 三一

●歌は、「楽浪の志賀の大わだ淀むとも昔の人にまたも逢はめやも」である。 滋賀県大津市 大津市役所 正面横時計台下万葉歌碑(柿本人麻呂) ●歌碑は、滋賀県大津市 大津市役所 正面横時計台下にある。 この時計台は、天智天皇の水時計をイメージして作られたそ…

万葉歌碑を訪ねて(その232)―京都府宇治市宇治 仏徳山山頂展望台―

●歌は、「妹らがり今木の嶺に茂り立つ夫松の木は古人見けむ」である。 京都府宇治市宇治 仏徳山山頂展望台(作者未詳) ●歌碑は、京都府宇治市宇治 仏徳山山頂展望台にある。 宇治上神社をあとにし、さわらびの道を進み、与謝野晶子の歌碑を眺め、巻一三 三…

万葉歌碑を訪ねて(その231改)―京都府宇治市宇治 さわらびの道―万葉集 巻十三 三二三六

●歌は、「そらみつ大和の国あをによし奈良山越えて山背の管木の原ちはやぶる宇治の渡り岡屋の阿後尼の原を千年に欠くることなく万代にあり通はむと山科の 石田の杜のすめ神に幣取り向けて我れは越え行く逢坂山を」でる。 京都府宇治市宇治 さわらびの道 万葉…

万葉歌碑を訪ねて(その230)―京都府宇治市宇治 宇治市観光センター前―

●歌は、「ちはや人宇治川波を清みかも旅行く人の立ちかてにする」である。 京都府宇治市宇治 宇治市観光センター前万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、京都府宇治市宇治 宇治市観光センター前にある。 橘島からみた宇治市観光センター ●歌をみていこう。 ◆千早人 氏川浪乎…

万葉歌碑を訪ねて(その229)―京都府宇治市宇治 宇治公園(橘島)―万葉集 巻三 二六四

●歌は、「もののふの八十宇治川の網代木にいさよふ波のゆくへ知らずも」である。 宇治公園 橘島万葉歌碑(柿本人麻呂) ●歌碑は、京都府宇治市宇治 宇治公園(橘島)にある。 宇治川の中の島には、上流側の塔の島と下流側の橘島の二つがある。 朝霧橋の東詰…

万葉歌碑を訪ねて(その228)―京都府宇治市宇治 宇治川朝霧橋東詰―万葉集 巻七 一一三五

●歌は、「宇治川は淀瀬なからし網代人舟呼ばふ声をちこち聞こゆ」である。 京都府宇治市宇治 宇治川朝霧橋東詰万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、京都府宇治市宇治 宇治川朝霧橋東詰にある。 朝霧橋東詰(万葉歌碑は向かって左手にある) ●歌をみていこう。 ◆氏…

万葉歌碑を訪ねて(その227改)―京都府宇治市上権現町 下居神社―万葉集 巻一 七

●歌は、「秋の野のみ草刈り葺き宿れし宇治の宮処の仮廬し思ほゆ」である。 下居神社境内万葉歌碑(額田王) ●歌碑は、京都府宇治市上権現町 下居神社(おりいじんじゃ)にある。 ●歌をみてみよう。 ◆金野乃 美草苅葺 屋杼礼里之 兎道乃宮子能 借五百磯所念 …

万葉歌碑を訪ねて(その226-6)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園「古代城陽を詠んだ万葉歌」(6)―

●歌は、「玉くせの清き川原にみそぎして斎ふ命は妹がためこそ」である。 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園「古代城陽を詠んだ万葉歌」(6) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園にある。「古代城陽を詠んだ万葉歌」の6番目である。 ●歌をみてみ…

万葉歌碑を訪ねて(その226-5)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園「古代城陽を詠んだ万葉歌」(5)―

●歌は、「山背の久世の若子が欲しと言ふ我れあふさわに我れを欲しと言ふ山背の久世」である。 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園「古代城陽を詠んだ万葉歌」(5) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園にあり、「古代城陽を詠んだ万葉歌」の五首目…

万葉歌碑を訪ねて(その226-4)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 「古代城陽を詠んだ万葉歌(4)」―

●歌は、「山背の久世の社の草な手折りそ我が時と立ち栄ゆとも草な手折りそ」である。 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園「古代城陽を詠んだ万葉歌」(4) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園にある。 「古代城陽を詠んだ万葉歌」(4) ●歌をみて…

万葉歌碑を訪ねて(その226-3)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 「古代城陽を詠んだ万葉歌(3)」―

●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園にある。 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園「古代城陽を詠んだ万葉歌」(3) ●歌は、「山背の久世の鷺坂神代より春は萌りつつ秋は散りけり」である。「古代城陽を詠んだ万葉歌(3)」である。 ●歌をみてみよ…

万葉歌碑を訪ねて(その226-2)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 「古代城陽を詠んだ万葉歌」(2)―

万葉歌碑を訪ねて(その226-2) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園にある。 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園「古代城陽を詠んだ万葉歌」(2) ●歌は、「古代城陽を詠んだ万葉歌」(2)である。 ●歌をみていこう。 ◆「栲領布の鷺坂山の白…

万葉歌碑を訪ねて(その226-1)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園「古代城陽を詠んだ万葉歌」(1)―

●歌は、「白鳥の鷺坂山の松蔭に宿りて行かな夜も更けゆくを」 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園「古代城陽を詠んだ万葉歌」(1) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園にある。「古代城陽を詠んだ万葉歌」として六首選択されている。その1である…

万葉歌碑を訪ねて(その225)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 №30<巻10 1847>―

●歌は、「浅緑染め懸けたりと見るまでに春の柳は萌えにけるかも」である。 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 №30 にある。 正道官衙遺跡公園には、万葉植物にちなんだ歌碑が30基ある…

万葉歌碑を訪ねて(その224)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 №29<巻9 1777>―

●歌は、「君なくはなぞ身装はむ櫛笥なる黄楊の小櫛も取らむとも思はず」である。 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園万葉歌碑(播磨娘子) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園にある。 ●歌をみていこう。 ◆君無者 奈何身将装餝 匣有 黄楊之小梳毛 …

万葉歌碑を訪ねて(その223改)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 №28―万葉集 巻一 五四

●歌は、「巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を」である。 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園万葉歌碑(坂門人足) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園にある。 ●歌をみてみよう。 ◆巨勢山乃 列ゝ椿 都良ゝゝ尓 見乍思奈 許湍乃…

万葉歌碑を訪ねて(その222)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 №27<巻19 4226歌>―そして「大津市万葉歌碑めぐり」

●歌は、「この雪の消殘る時にいざ行かな山橘の実の照るも見む」 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園万葉歌碑(大伴家持) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 №27 にある。 ●歌をみていこう。 ◆此雪之 消遺時尓 去来歸奈 山橘之 實光毛将見 (大…

万葉歌碑を訪ねて(その221改)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 №26―万葉集 巻十 二三一五

●歌は、「あしひきの山道も知らず白橿の枝もとををに雪の降れれば」である。 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園万葉歌碑(柿本朝臣人麻呂歌集) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園にある。 ●歌をみていこう。 ◆足引 山道不知 白牫牱 枝母等乎ゝ尓…

万葉歌碑を訪ねて(その220)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 №25<巻10 1859歌>

●歌は、「馬並めて多賀の山辺を白栲ににほはしたるは梅の花かも」である。 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園にある。 ●歌をみていこう。 ◆馬並而 高山部乎 白妙丹 令艶色有者 梅花鴨 (作…

万葉歌碑を訪ねて(その219改)―京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 №24<巻9-1694>―

●歌は、「栲領布の鷺坂山の白つつじ我れににほはに妹に示さむ」 京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園万葉歌碑(柿本人麻呂歌集) ●歌碑は、京都府城陽市寺田 正道官衙遺跡公園 №24 にある。 ●歌をみていこう。 ◆細比礼乃 鷺坂山 白管自 吾尓尼保波尼 妹尓示…