万葉集の歌碑めぐり

万葉歌碑をめぐり、歌の背景等を可能な限り時間的空間的に探索し、万葉集の万葉集たる所以に迫っていきたい!

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

万葉歌碑を訪ねて(その761)―海南市下津町 立神社・仁義児童館前―万葉集 巻六 一〇二二

●歌は、「父君に 我れは愛子ぞ 母刀自に 我れは愛子ぞ 参ゐ上る 八十氏人の 手向する 畏の坂に 弊奉り 我れはぞ追へる 遠き土佐道を」である。 海南市下津町 立神社・仁義児童館前万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、海南市下津町 立神社・仁義児童館前にある。 …

万葉歌碑を訪ねて(その760)―有田糸我町 得生寺―万葉集 巻七 一二一二

●歌は、「足代過ぎて糸鹿の山の桜花散らずもあらなむ帰り来まで」である。 有田糸我町 得生寺万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、有田糸我町 得生寺にある。 ●歌をみていこう。 ◆足代過而 絲鹿乃山之 櫻花 不散在南 還来万代 (作者未詳 巻七 一二一二) ≪書き下…

万葉歌碑を訪ねて(その759)―日高郡由良町 白崎万葉公園―万葉集 巻九 一六六八

●歌は、「白崎は幸くあり待て大船に真楫しじ貫きまた帰り見む」である。 日高郡由良町 白崎万葉公園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、日高郡由良町 白崎万葉公園にある。 ●歌をみていこう。 ◆白埼者 幸在待 大船尓 真梶繁貫 又将顧 (作者未詳 巻九 一六六八)…

万葉歌碑を訪ねて(その756,757,758)―海南市黒江 名手酒造駐車場―万葉集 巻七 一三九六、巻十一 二七八〇、巻十一 二七三〇

―その756― ●歌は、「紫の名高の浦のなのりその磯に靡かむ時待つ我れを」である。 名手酒造駐車場万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑(プレート)は、海南市黒江 名手酒造駐車場にある。 ●歌をみていこう。 ◆紫之 名高浦乃 名告藻之 於礒将靡 時待吾乎 (作者未詳…

万葉歌碑を訪ねて(その753,754,755)―海南市黒江 名手酒造駐車場―万葉集 巻九 一六七五、巻二 一四二、巻七 一二一八

―その753― ●歌は、「藤白の御坂を越ゆと白栲の我が衣手は濡れにけるかも」である。 海南市黒江 名手酒造駐車場万葉歌碑(プレート)(作者未詳) ●歌碑(プレート)は、海南市黒江 名手酒造駐車場にある。 ●歌をみていこう。 この歌は、ブログ拙稿「万葉…

万葉歌碑を訪ねて(その751,752)―海南市黒江 名手酒造駐車場―万葉集 巻九 一七九八、巻七 一三九二

751から758までの歌碑(プレート)は、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その742)」で紹介した海南市黒江 名手酒造駐車場にある。当日巡った他の歌碑の歌と重複しているものが多いので、ここで紹介することにしたものである。 ―その751― ●歌は、…

万葉歌碑を訪ねて(その750)―海南市名高 海南駅南高架下―万葉集 巻十一 二七三〇

●歌は、「紀伊の海の名高の浦に寄する波音高きかも逢はぬ子ゆゑに」である。 海南市名高 海南駅南高架下万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、海南市名高 海南駅南高架下にある。 ●歌をみていこう。 ◆木海之 名高之浦尓 依浪 音高鳧 不相子故尓 (作者未詳 巻十一 …

万葉歌碑を訪ねて(その748,749)―海南市藤白 紫川説明プレートならびに海南市名高 海南駅前―万葉集 巻七 一三九二、巻十一 二七八〇

―その748― ●歌は、「紫の名高の浦の真砂地袖のみ触れて寝ずかなりなむなりけむ」である。 海南市藤白 紫川説明プレート万葉歌(作者未詳) ●歌碑は、海南市藤白 紫川説明プレートにある。 ●歌をみていこう。 ◆紫之 名高浦之 愛子地 袖耳觸而 不寐香将成 …

万葉歌碑を訪ねて(その746,747)―海南市藤白 有間皇子神社ならびに有間皇子の墓―万葉集 巻一六七五、巻二 一四二

―その746― ●歌は、「藤白の御坂を越ゆと白栲の我が衣手は濡れにけるかも」である。 有間皇子神社万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、海南市藤白 有間皇子神社にある。有間皇子神社は、藤白神社の境内社である。 ●歌をみていこう。 ◆藤白之 三坂乎越跡 白栲之 …

万葉歌碑を訪ねて(その744,745)―海南市日方 海南消防署北側ならびに海南市築地 海南医療センター筋向い―万葉集 巻七 一二一八、巻七 一三九二

―その744― ●歌は、「黒牛の海紅にほふももしきの大宮人しあさりつらしも」である。 海南消防署北側万葉歌碑(藤原卿) ●歌碑は、海南市日方 海南消防署北側にある。 ●歌をみていこう。 ◆黒牛乃海 紅丹穂経 百礒城乃 大宮人四 朝入為良霜 (藤原卿 巻七 一…

万葉歌碑を訪ねて(その743)―海南市黒江 中言神社―萬葉集巻九 一七九八

●歌は、「いにしへに妹と我が見しぬばたまの黒牛潟を見れば寂しも」である。。 海南市黒江 中言神社万葉歌碑(柿本人麻呂歌集) ●歌碑は、海南市黒江 中言神社にある。 ●歌をみていこう。 ◆古家丹 妹等吾見 黒玉之 久漏牛方乎 見佐府下 (柿本人麻呂歌集 巻…

万葉歌碑を訪ねて(その741,742)―片男波公園・万葉の小路ならびに名手酒造駐車場―万葉集 巻七 一二一九、巻九 一六七二

―その741― ●歌は、「若の浦に白波立ちて沖つ風寒き夕は大和し思ほゆ」である。 片男波公園・万葉の小路万葉歌碑(藤原卿) ●歌碑は、和歌山市和歌浦南 片男波公園・万葉の小路(5)にある。 ●歌をみていこう。 ◆若浦尓 白浪立而 奥風 寒暮者 山跡之所念 …

万葉歌碑を訪ねて(その740)―和歌山市和歌浦南 片男波公園・万葉の小路―万葉集 巻十二 三一七五

●歌は、「若の浦に袖さへ濡れて忘れ貝拾へど妹は忘らえなくに」である。 片男波公園・万葉の小路万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、和歌山市和歌浦南 片男波公園・万葉の小路(4)にある。 ●歌をみていこう。 ◆若乃浦尓 袖左倍沾而 忘貝 拾杼妹者 不所忘尓 <…

万葉歌碑を訪ねて(その739)―和歌山市和歌浦南 片男波公園・万葉の小路―万葉集 巻七 一二一三

●歌は、「名草山言にしありけり我が恋ふる千重の一重も慰めなくに」である。 片男波公園・万葉の小路(3)(作者未詳) ●歌碑は、和歌山市和歌浦南 片男波公園・万葉の小路(3)にある。 ●歌をみていこう。 ◆名草山 事西在来 吾戀 千重一重 名草目名國 (…

万葉歌碑を訪ねて(その738)―和歌山市和歌浦南 片男波公園・万葉の小路(2)―万葉集 巻七 一二一五

●歌は、「玉津島よく見ていませあをによし奈良なる人の待ち問はばいかに」と 「玉津島見てしよけくも我れはなし都に行きて恋ひまく思へば」である。 片男波公園・万葉の小路万葉歌碑(二首とも作者未詳) ●歌碑は、和歌山市和歌浦南 片男波公園・万葉の小路…

万葉歌碑を訪ねて(その737)―和歌山市和歌浦南 片男波公園・万葉の小路(1)―万葉集 巻十二 三一六八

●歌は、「衣手の真若の浦の真砂地間なく時なし我が恋ふらくは」である。 和歌山市和歌浦南 片男波公園・万葉の小路(1)万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、和歌山市和歌浦南 片男波公園・万葉の小路(1)にある。 ●歌をみていこう。 ◆衣袖之 真若之浦之 愛子…

万葉歌碑を訪ねて(その736)―和歌山市和歌浦南 片男波公園・健康館入口壁面―万葉集 巻六 九一七、九一八,九一九

●歌は、「やすみしし我ご大君の常宮と仕へ奉れる雑賀野ゆそがひに見ゆる沖つ島清き渚に風吹けば白波騒き潮干れば玉藻刈りつつ神代よりしかぞ貴き玉津島山」(長歌)と 「沖つ島荒礒の玉藻潮干満ちい隠りゆかば思ほえむかも」 「若の浦に潮満ち来れば潟をなみ…

万葉歌碑を訪ねて(その734、735)―和歌山市和歌浦中 玉津島神社境内、塩竈神社鳥居横―万葉集 巻六 九一八、九一九

―その734― ●歌は、「沖つ島荒礒の玉藻潮干満ちい隠りゆかば思ほえむかも 」と 「若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る」である。 和歌山市和歌浦中 玉津島神社境内万葉歌碑(山部赤人) ●歌碑は、和歌山市和歌浦中 玉津島神社境内にある。…

万葉歌碑を訪ねて(その733)―和歌山市和歌浦中 玉津島神社境内―万葉集 巻六 九一七

●歌は、「やすみしし我ご大君の常宮と仕へ奉れる雑賀野ゆそがひに見ゆる沖つ島清き渚に風吹けば白波騒き潮干れば玉藻刈りつつ神代よりしかぞ貴き玉津島山」である。 和歌山市和歌浦中 玉津島神社境内万葉歌碑(山部赤人) ●歌碑は、和歌山市和歌浦中 玉津島…

万葉歌碑を訪ねて(その732)―和歌山市和歌浦中 玉津島神社鳥居横―万葉集 巻七 一二二二

紀伊風土記の丘をあとにし玉津島神社へと向かう。約30分のドライブである。国道42号線を交差点「和歌浦」で左方向に鋭角にまわる。左手に海が見えてくる。しばらく進むと右側に神社の駐車場がある。車を止め大鳥居の方向へ歩く。「玉津島神社・鹽竈神社H…

万葉歌碑を訪ねて(その730,731)―和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園―万葉集 巻十 二一八三、巻十 二二九六

―その730― ●歌は、「雁がねは今は来鳴きぬ我が待ちし黄葉早継げ待たば苦しも」である。 紀伊風土記の丘万葉植物園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑(プレート)は、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園(34)にある。 「紅葉の森」をテーマとした説明プレ…

万葉歌碑を訪ねて(その727,728,729)―和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園―万葉集 巻十二 三〇七二、巻六 九二五、巻二十 四四七六

―その727― ●歌は、「大崎の荒磯の渡り延ふ葛のゆくへもなくや恋ひわたりなむ」である。 紀伊風土記の丘万葉植物園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑(プレート)は、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園(31)にある。 ●歌をみていこう。 ◆大埼之 有礒乃渡…

万葉歌碑を訪ねて(その724,725,726)―和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園―万葉集 巻二十 四五一三、巻十九 四二〇四、巻二 一一一

―その724― ●歌は、「磯影の見ゆる池水照るまでに咲ける馬酔木の散らまく惜しも」である。 紀伊風土記の丘万葉植物園万葉歌碑(甘南備伊香真人) ●歌碑(プレート)は、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園(28)にある。 ●歌をみていこう。 ◆伊蘇可…

万葉歌碑を訪ねて(その721,722,723)―和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園―万葉集 巻一 五四、巻七 一二一四、巻九 一六七六

―その721― ●歌は、「巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を」である。 紀伊風土記の丘万葉植物園万葉歌碑(坂門人足) ●歌碑(プレート)は、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園(25)にある。 ●歌をみてみよう。 この歌ならびに奈…

万葉歌碑を訪ねて(その718,719,720)―和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園―万葉集 巻二十 三九一〇、巻七 一一八八、巻十 一九七三

―その718― ●歌は、「玉に貫く楝を家に植ゑたらば山ほととぎす離れず来むかも」である。 紀伊風土記の丘万葉植物園万葉歌碑(大伴書持) ●歌碑(プレート)は、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園(22)にある。 「センダンの木」がテーマで、この歌…

万葉歌碑を訪ねて(その715,716,717)―和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園―万葉集 巻七 一二五七、巻十二 三〇六二、巻二十 四四九三

―その715― ●歌は、「道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや」である。 紀伊風土記の丘万葉植物園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑(プレート)は、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園(19)にある。 ●歌をみていこう。 ◆道邊之 草深由…

万葉歌碑を訪ねて(その712,713,714)―和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘―万葉集 巻二十 四四四八、巻七 一三〇五、巻二 八七

―その712― ●歌は、「あぢさゐの八重咲くごとく八つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ」である。 紀伊風土記の丘万葉植物園万葉歌碑(橘諸兄) ●歌碑(プレート)は、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園(16)にある。 ●歌をみていこう。 ◆安治佐為…

万葉歌碑を訪ねて(その709,710,711)―和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園―万葉集 巻九 一六七七、巻九 一七九八、巻七 一二五〇

―その709― ●歌は、「大和には聞こえも行く大我野の竹葉刈り敷き廬りせりとは」である。 紀伊風土記の丘万葉植物園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑(プレート)は、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園(13)にある。 ●歌をみていこう。 ◆山跡庭 聞徃歟 …

万葉歌碑を訪ねて(その706,707,708)―和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園―万葉集 巻二 八五、巻三 四三四、巻十一 一八九五

―その706― ●歌は、「君が行き日長くなりぬ山尋ね迎へか行かむ待ちにか待たむ」である。 紀伊風土記の丘万葉植物園万葉歌碑(磐姫皇后) ●歌碑(プレート)は、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園(10)にある。 ●歌をみていこう。 この歌は巻二の巻…

万葉歌碑を訪ねて(その703,704,705)―和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園―万葉集 巻十二 三〇〇九、巻八 一四六一、巻九 一七七七

―その703― ●歌は、「橡の衣解き洗ひ真土山本つ人にはなほ及かずけり」である。 紀伊風土記の丘万葉植物園万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑(プレート)は、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園(7)にある。 ●歌をみていこう。 ◆橡之 衣解洗 又打山 古人尓…